22日
女の子が、「わたしはもう3週間と1日待った」と言っていた。たしかになあ、と思う。
私も3週間と1日くらい同じくらい待って落ち込んでいる。だから天真爛漫な彼女は偉い。
昨日より元気だけど、ある一言で一瞬、過去に戻ってしまう。忘れたつもりでも忘れていないことがあって、記憶がおばけみたいに追い詰めてくる。おそらくそれが私にとっての傷痕なのだろう。
23日
朝、練習。
夜は久しぶりに人とお酒を飲みに行く。
とても好きだった、先輩と。
「誰も私と一緒に壊れてはくれなかった」という会話が印象的だった。フィッシュアンドチップスおいしい。
電車がなくて、歩いて帰る。
ウォークマンがシャッフル再生で「アルクアラウンド」かけてくれて嬉しかった。
24日
朝は練習。その前に後輩と話す。習い事を続けていくかどうかという話になる。数年前の自分なら、迷いなく「辞めないで」と言っていたはず。でも最近は何が正しいのか私にもわからなくなってきた。
ただ、「もしも同じ状況ならあなたはどうしますか?」と聞かれて、そのときは迷いなく「続ける」と答えたのが自分でもびっくりした。
休みたい気持ちはあるけど、続ける前提がまだまだ自分の中にはあるらしい。
昼は、昨日とは別の先輩とニカイ(nikai)のカレーを食べに行く。ずっと行きたかったお店で嬉しい。到着したとき店内で、aikoの『赤いランプ』が流れていてさらに嬉しかった。そのあとサンリンシャに立ち寄って、くまのぬいぐるみがある映えそうなカフェでお茶する。キラキラ空間かと思いきや意外と居心地が良かった。
久生十蘭の「黄泉から」すすめてもらう。
久生十蘭という響きを久しぶりにきいたわ。
カレーを食べたあとからとても眠くて、帰ってからおどろくほど眠る。
25日
わりと平和に進む一日。雨が止まない。
帰りがけに、「助けてほしい」と電話があり、仕事のヘルプに入る。結局20時くらいまで残る。そのかわり、アルフォートを貰ったのと、いい感じのカフェを教えてもらった。
季節が変わるのにあわせて、私もだけど、周りも少しだけ不安定な気がする。
「君にだれかと結婚してもらって、はやく楽になりたいといっていた」
(久生十蘭『黄泉から』より)
最後がもう……読んでっ!
と、先輩が言っていた。たしかに、とても最後が。胸がぎゅーっとなる。
記憶が私をおばけのように追い詰めてくる。光太郎も追憶の中で記憶の中の存在にとらわれてしまう。でもそうやって傷痕になる人たちは、もともと自分にとって特別な存在だった人たちなのだろう。
読みやすくて、綺麗で切なくて私はとても好き。『異人たちとの夏』を思い出した。
青空文庫ですぐ読めるよ↓
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今週のお題「読書の秋」