夢は相変わらずみている。今日は新築の体育館から出られない夢。きれいな建物だった。
朝、背後から声をかけられる。咄嗟に「おはよう」と敬語じゃなく返してしまった。普通に言えばよかった。
窓の外では、紫陽花がこの前より深い青になっていた。プールの中みたいな色。
六月にしては風が涼しくてなんだか眠たくなる。別の人も同じことを思っていたらしい。新しくできた水族館について少し話す。その人の日焼けした手を見て、夏が来ていることに気づく。
「たまに、ぎゃーって、叫びたくなるときないですか?」と聞かれた。この人でもそんなこと思うんだなって思う。私はいつも叫んでいる。
夕方、予告を残される。予告があると未来がある程度分かって気持ちが楽。
誰もいなくなってから「小鳥公園」をくちずさむ。
〈ほんとうのことを言いたいとずっと思っている。〉
(橋本亮二『うもれる日々』収録「ページを開くこと」より引用)
どこまで本というかんじの写真ですみません。(枕の上にのせてる)
版元さん(出版社のこと、ここでは出版社の営業担当の人の意)をしているお兄さんが書いたエッセイZINE。本好きの日常が飾らずに綴られている。
本も言葉も好きだけど、それを〈ほんとうの〉言葉で伝えることの難しさについて、引用した部分では書かれている。わかる、見たままの景色で写真に残せないもどかしさに似てる。
橋本さんは『本を贈る』という本にも寄稿していて、読める環境にあったのでそちらも読む。『本を贈る』で書いてある文章のほうが好き。版元さんが書店員さんに会いたいと思うように、その逆もあると告げたい。
私はいま、どちらでもないけど……。
余談をふたつ話させてください。
1.すごく久しぶりに歯医者さんへ行く。受付のお姉さんも先生も、相変わらず下の名前で呼んでくれる。先生から「アフリカでも行ったんかと思ってたわ」って言われた。
2.ひとりぼっちなのに、誰かの影が目の前を通りすぎて顔をあげても誰もいないということが職場でよくある。たぶん私の他に二人くらいいる。誰ですか?