月曜なのに気がのらない……と顔をあげたところに本が置いていて、ふと目が合った本があり、休憩中に読んでしまった。
- 作者:香歩, 梨木
- 発売日: 2001/08/01
- メディア: 文庫
あらすじ
「まい」は中学生になってすぐ、学校に行かなくなった。そんなあるとき、まいは住む街を離れ、母方の祖母の家へと預けられることになる。初夏の頃を豊かな緑と祖母との不思議な日常に囲まれて過ごしていくうちに、まいは「魔女」の修行をはじめることになり……。
ぱらぱらとめくるうちにどんどん読んでしまった。
この本は長いあいだ、名前だけ知っていてずっと読む機会がなかったのだけど、なんか今回このタイミングでこの本を手に取れて良かった。
手元に本がないので引用できないのですが、まいは学校に行っていない子で、いつか日常に戻る、または今の日常から逃げる(転校する)日がくることを、ちゃんとわかっている。
日常に戻ることも逃げることも、どちらにもバツの悪さを感じていて、それをおばあちゃんに相談すると、おばあちゃんは逃げることを肯定してくれるんです。
シロクマがハワイから北極に行ってそれを責める人がいる?って。
それで、おばあちゃんはずっとここにいてもいいよと言ってくれるけど、まいはそれを選ばない。
この、緩やかな日々を選ばないっていうのがなんだか一番ぐっときました。でも、まいと同じでその理由はうまく言えないけど。
連続する日々の中のほんの隙間というか、ちょっと手が空いた瞬間というか、もっと直接的に言えば最近のコロナの色々で、今まで当たり前にしてきたことから少し離れて立ち止まっていた今の状態が、まさにこの物語と合っていたので、いま読めて良かった。
だから、同じようにぱっと日常に穴が開いた人や、休校を体験した子どもたちが読むとすごくいいかもしれない。
番外編の「渡りの一日」は掛け合いのテンポがよいと思いました。ラストの一段落がよかった。
女の子が日常から少し離れた世界で過ごす、という物語は、私は青木和雄さんの『ハッピーバースデー』を強く思い出すのだけど。(『西の魔女が死んだ』の中ではハイジが挙げられてた)
- 作者:青木 和雄
- 発売日: 2003/12/01
- メディア: 単行本
今日は魔女の話を読んだので、今日起きた魔女っぽい出来事(?)をかきます。
・本とも目が合ったけど、遠くにいる人とも目が合って、あとから聞くと「アイコンタクト送りました」と言われた。(なんとなくわかった)
・髪の毛ピンクに染めたいのですが、先を越された。(先輩が染めてた、可愛かった)
・本をふと、手に取る人を目撃した。こういう「ふと本に触れる」瞬間ってすごく大切で、この瞬間のために本の近くで過ごしていたい!(と思った)