本のある日記

本のある日記

日記・その時にあてはまる本・ことば・音楽。

離れるなら今

ときをもどそう…

木曜日
昼下がりに珍しいお客さんがくる。よく、職場ですれ違うと手を振るだけのお姉さんがいるのだが、その人が来てくれる。
リンネルに載ってそうですね、というと、今朝はクイックルワイパーで殴りかかりました。と言われて驚く。仏生山にあるビールのお店が気になっている話をすると、こういう時勢でなければ週末にでも一緒に行くのにと言ってくれる。
仕事の打ち合わせをしたあと人生の話をする。そのお姉さんも紆余曲折あっての今らしい。何かを捨てることがのちの人生の財産になるのかも、と思う。

金曜日
またもや珍しいお客さんが来る。
お姉さんその2、背徳会の人である。(おやつを一緒に食べる会の意)
真面目な話をするのかと思いきや、ペットの動画を見せてくれる。かわいい。ペットも人もすべてが。
年齢の話になる。早生まれで自分の歳がよくわからないというので、一緒に年齢確認をした。
しかしなんだかわからないけど朝からバタバタする。一週間疲れたので定時で帰る。

そのまま、瓦町のギャラリー「MOTIF」に寄って南田真吾さんの個展「窓がある」をみる。
色んな窓の風景があって楽しい。記憶を貼る、みたいな絵が好きだった。ステッカー買う。

本多孝好さんの「祈灯」という話に、窓の灯りがあると、それを見る人間は二種類に分かれるという文章があってその言葉がすごく好きだったことを思い出す。
行きはエレベーターで上がったのだが、帰りは階段で降りた。踊り場で鏡が横たわっていて、窓みたいだった。
f:id:ao26:20200802152811j:plain

本多孝好『MISSING』

MISSING (角川文庫)

MISSING (角川文庫)


日曜日

朝から練習。(今日も見るだけ)
最後にきつく言ってしまう。つかれる。
むこうも疲れてるだろう。

土曜の夜に、お世話になっている人と話していたのだけど、
きちんと定時で帰れる仕事(勤務時間が短くてもいい)に就いて、アフター5はもっと好きなことをして生きていったほうがあなたにとってはいいのかもね?と言われる。じつは違う人にも同じようなことを言われたことが二年くらい前にあった。
さっと帰って夜は古本カフェでもすれば?みたいな。
その話を聞いたときは、楽な仕事を手放してもう少し忙しくしようとしていたタイミングだったので、何ともできなかった。そして去年と一昨年は仕事仕事という感じで、ある範囲で責任も重たかったので動くことが考えられなかった。

でもいまは違う。
書面上では、任期は秋まで、責任がある仕事からも外れた。いま見ている練習も、夏が終わればもうあまり行かないでねと言われている。
すべてから離れるなら今だし、すべてを得られるのも今なんだろうなと思っている。年齢的にも。
手放して新しいものを得るか、今ある不完全なものを完全に自分のものにしてしまうか、そのどちらかだと思う。

その決断はまだできないけど、すでに時計の針はまわりはじめて、自分の足も手も動き始めている。