風のない部屋が苦手だから、職場ではまだ網戸で過ごす。しかし夕方に窓を閉めるころにはもう冬の冷たさで風が体にあたる。カーテンをひきながら、朝からあった出来事をふりかえる。寒いしちょっと死にたい。
10月大好きだけどこの10月はもう繰り返したくない。
汐見夏衛『君はきっとまだ知らない』
- 作者:汐見夏衛
- 発売日: 2019/12/25
- メディア: 単行本
魅力的な章題(季語になってる)
ほどよい短さ。
そういうふうな感じなので手に取りたくなる、取りやすい本。つまり本としての作り方がうまいと思う。
話は、つっこみどころはあるけど途中までを乗り越えたら急にミステリみたくなるのでちょっと楽しかった。あとがきで、自分にはこういう経験はなかったけど、みたいなのは別に書かなくてよかったのでは感。
秋!秋!って感じで季節感ごりごりのところは良いです。
金木犀がまだ咲いていたら実家から枝を盗んできたい。『君はきっとまだ知らない』にも金木犀がたくさん出てきた。
同じことをしても、残る人と残らない人に分かれてしまう、っていうのを、時々考えてしまう。直接言われたこともある。あなたの言葉は響かない。
「今日、昨日のあなたの言葉を思い出して、決めてた服から着替えてきたんだよ」って言われた朝を思い出す。私が好きって言ったスカート、好きって言ったリボンのあるニット。を着てきたふたり。
私のところに足を運んでくれる人のことも思い出すし、会議に出てるとアイコンタクト送ってくれる人とか、元気がないのに気づいてくれる人のこととか、ちゃんと知ってて、それでも両方思ってしまう。
それはそれでわかっていて、でもそれはそれで考えてしまう。