本のある日記

本のある日記

日記・その時にあてはまる本・ことば・音楽。

きみと僕とのセカイが終わる系

〈君にしか見えない何かを見つめる君が嫌いだ〉


夜に駆ける

夜に駆ける

  • YOASOBI
  • J-Pop
  • ¥255

いまになってYOASOBIの『夜に駆ける』を聴くようになった。おそい。
むかし、セカイ系なる世界観が流行った。
意味合いとしては、自分たち(きみと僕)の日常が、世界の終焉につながるというようなこと、だと私は思っている。


最近(私の知る最近)では、また別のセカイ系が流行っているような気がする。
広い世界の終焉ではなくて、きみと僕のふたりだけの世界が終わってしまう、ごく個人的なセカイ系
そしてモノローグは僕の中だけでとじられていく。
歌って、きみに届けるために歌われるものが多いけどそうではなくて、僕のために僕だけが知る言葉で歌われるみたいな。

ずっと真夜中でいいのに。の『秒針を噛む』を聴いたときにそんなこと思っていたけど、『夜に駆ける』を聴いても同じように感じた。


星野舞夜『夜に駆ける YOASOBI小説集』

夜に駆ける YOASOBI小説集

夜に駆ける YOASOBI小説集

『夜に駆ける』の原作である「タナトスの誘惑」が収録されている。
たまたま読むことができたので、曲も聴いてることだし読んでみる。ねたばれします。

私が歌詞を聴いて思い描いていた物語と、ずいぶん違う展開であることに驚かされる。
歌を聴いていたときは、きみへの感情が終わっていく、ささやかな心の死、くらいに思っていたけど、この本の展開によると本当に、物理的な死を迎えてしまうようだ。私の見解が間違ってなければだけど。
そして、歌ではあいまいだった、主人公たちの背景も書かれている。仕事のこととか、彼女の秘密とか、思想とか。

個人的には、歌を聴きながら想像していた物語のほうがよかった。原作を読んだことで、余白の世界が見えなくなってしまったような気持ちになったので。逆に考えると、歌はよくできているのかもしれない。

静かな日々の中で終わりの予感をかかえている、きみとの世界、が、この頃たくさんあるような気がする。僕の世界は救われない。もしくは、世界が救われるかわりにきみを失うか。


ここから日記


このごろ忙しくて全然ゆっくりできていなかった。体調もあまりよくなかったし。
昨日久しぶりに本屋で本を買って、リフレッシュする。今日も帰ってからはのんびりできた。でも仕事がしたい。仕事がしたいというより、したい仕事がたまっている。
11月をむかえることが少し怖い。明日はかわいい服を着ていきたい。