ちゃんと考えると泣くようなことがたくさんある、と思いながら、苛々しながら運転する。
みやわきさんに会う。
空間はそれぞれ距離を保ちながら、そこそこにぎわっている。本を見せてくれて、欲しいなと思っていたものだったので売ってもらう。
帰りしな、みやわきさんが
「最近どう?」とそっと聞いてくれる。
「最近は、だめです」
「なにが」
「いろんなことが」
「あれは?どうなってんの」
あれっていうのは、私が書きさしのまま置いている文章のこと。
「思うところあって、いま止まってます」
「もったいない」
そう言ってくれるのが嬉しい。
「気がのらなくて」
「気ね、まあ、気は大事だよね」
その言葉がとても、みやわきさんらしい。
気が満ちたら作りますと言った。
別れ際にみやわきさんがありがとう、と言って握手をしてくれる。
「なんかお別れの挨拶みたいですね」
「いつもの挨拶だよ」
手は温かかった。樹木っぽい。大きな木に触ったときのような。
車に乗って、そのあと運転しながらひとりで急にどっと泣いた。疲れてるのよわたしも。
なんかだめなんだよね、最近、人と人、っていう感じの交流するとすぐに涙おとしてしまう。だからここで泣いたってことは、さっき心が癒されたからなんだと思っている。
ちなみに買った本はこれ。香川の本屋さんたくさん。ブックマルテとか懐かしいなあ。
和氣正幸『日本の小さな本屋さん』
- 作者:和氣正幸
- 発売日: 2020/10/29
- メディア: 単行本
帰りにいい感じの八百屋さんみつけた。
あと、おいしいものが食べたくて立ち寄ったお店でそこの店主さんと少し話していたときに、秘密主義の話になって、
「私のなかに二人の自分がいる、プライベートの自分と、ライフワークしている自分。その二つの側面は切り分けて過ごしていたい。だから、あまり何もかもは知られたくない」
って私はあまり考えず言ったんですけど、これでも全然うまく言えてないけど、言葉にしたことで自分はこう思ってたのかーと自分でへぇーと思った。私ももうちょい上手く隠せる人になりたい。
〈妙な甘えでもう誰も失いたくない〉
(東京事変「心」より引用)
うまくやっていきたい。