本のある日記

本のある日記

日記・その時にあてはまる本・ことば・音楽。

境界線/とりもどす場所

三つ編みを延々とする夢と、からだの中のものがほとんど水中へ出てしまう夢を見た。赤かった。

他人と自分を隔てる枠があって、いつもは枠の中から出ないようにしているんだけど、最近その枠を越えてしまいそうになる瞬間がよくある。そうなってくると、そろそろ距離を離さないといけないのかもしれない。

今朝は練習、夜も練習。もう休みたい。
お昼は雑貨屋さんに寄ると雑貨屋さんのお手伝いを少しだけして、古本屋さんに寄ると古本屋さんのコーヒーの買い出しに行くことになる。
どこでも長居はしないんだけど、思っていたより人がたくさんいて自分がよくわからなくなってくる。端的に言うと疲れた。

静かなところにきて、遅いご飯を食べる。
川内倫子さんという写真家の本、『そんなふう』を読む。日々のことを綴ったフォトエッセイ。写真もいいし、文体にさらりとした美しさがあっていい。筆者は、生と死の境目にときどき立っている気がする。それこそ枠をそっと越えて。
おいしいホットサンド食べる。コンロと暖房の音が心地よくて、淀んだ境界線がクリアになる気がした。


〈ひとり窓辺を見ていたときの切実さとは違った思いで、きょうも外を眺めている。〉

川内倫子『そんなふう』より)

そんなふう

そんなふう

  • 作者:川内倫子
  • 発売日: 2020/10/17
  • メディア: 単行本