本のある日記

本のある日記

日記・その時にあてはまる本・ことば・音楽。

汚れた夢/イブは雨

「これは、なんの本?」と若い女の子に尋ねたら、「読んでみますか?」と微笑まれ、思わずうなずいてしまった。

生命式

「いつか、一緒に気絶しようね」
村田沙耶香『生命式』収録「大きな星の時間」より)

短編集。村田さんの本を読むのは初めて。人肉とか生殖とか、なんだろう、ぬるぬるしてる。綺麗な気持ち悪さ。今朝、(物理的に)汚れる夢を見たのでちょうどいいかも。という気持ち。
引用した部分が載っている話は、すごく短い物語なんだけど、一番好き。短すぎると綺麗なものしか目立たなくなるんだけど、私はそれが好きなのかもしれない。余計なものが削がれているのも。
一番最後に載っている「孵化」という話の、この部分も好き。

「(略)……綺麗なものが本質だと、落ち着かないのよ」
「へんなの」

村田沙耶香「孵化」より)

書いていて思い出したけど、彼女は夏の前くらいに、本を読むの恥ずかしいと言っていた気がする。でも今は、微笑んで本を渡してくれた。彼女のなかでなにか、時が流れたのかな。

職場に来てくれた本屋さんにメリークリスマス、とおやつをあげると、
「僕、今日が誕生日なんです」
と言われた。おめでとうございます。

お昼は、時間をずらして誰もいないところでお昼を食べる。小雨が冷たいけど、それが人を散らすしひっそりとした雰囲気を高めていていい。

夕方、久しぶりに会う人にチョコレートを渡した。
帰りに、上司のひとと『スタンド・バイ・ミー』の話題になって、原題が『THE BODY』ということを話していると、通りがかった先輩が
「海(うみ)行(ゆ)かば水漬く(みづく)屍(かばね)、山(やま)行(ゆ)かば草生す(くさむす)屍(かばね)」と口ずさむ。
「BODY」が「死体」をあらわすように、「かばね」も「しかばね」のことなんやで、と言うことを教えてくれたらしい。

夜はお世話になっている、習い事の先生たちと会う。何かいい報告ができるといいな。そのうち。