本のある日記

本のある日記

日記・その時にあてはまる本・ことば・音楽。

あたしにだって分からないのに

23日
あれから短い小説を書く!
できたときすごく嬉しかった。
今の私!って感じだった。そのあと友人とドライブして、電話をした。もう元気だよ。

24日
職場の女の子が髪の毛をばっさり切っていて、とても可愛かった。
しなくてはならないことが山のようにあるのに、仲良しの人と喋っていた。たくさん話した。
「良かったね、って言うのいいよね。自分はすぐ悪く言ってしまうから、そうやって、良かったねって言えるのすごくいいと思う」とか、「よく笑うよね」とか、そんな話をする。

先輩とも、ひさしぶりにたくさん話せた。あと、一緒に池に落ちたかったことをやっと話せた。暗くではなく、そのまま伝えられて受け取ってもらえてよかった。
夜は練習しないのに練習に行く。嬉しいことを聞いて、嬉しい。

25日
そろそろしないといけないな、と仕事にとりかかる。
帰り際、階段のすき間(手すりの螺旋のあいだ)からのぞき込まれて「大丈夫?」と声をかけられる。
「逃げるように帰るやん」と言われて、「元気じゃないのかなって思った」と言われる。そんなことないけど、そんなことないこともないかもしれない。そしてめちゃくちゃ疲れていても練習に行かないといけない。いろいろ何でなんだろう?
でも、なぜ練習するの?
なぜ元気じゃないの?
と言われても今の私には答えられない。
私にだってわからない私のことを、他の誰も知れるはずがない。だから答えが出なくてもいいの。と謎の結論にたどりつく。

けれど、私のことを忘れないでいてくれて、ありがとう。

夜は練習。ひさしぶりのまじめな練習。すごく楽しかった。やっぱり本当は好きなのかもしれない。
帰るふりをしてこっそり半空に来る。静かで良い感じ。
フジファブリックと幾田りらちゃんの『たりないすくない』をずっと聴いている。

 〈あなたへの愛を怠ったりなんてしない〉

どこかで、フレデリックの『たりないeye』を思い出してしまうのだった。
MVの意味をずっと考えている。たりないすくないってことなんだろうなと思っている。
早く明日の夜を迎えたい。


〈本当の私はちょっとだけズルいよ〉
っていうところも好き。


〈わたしたちが目にしたのは ともりつづけていた灯り/沈黙する花たちに テーブルに 本に 座る人のいない椅子に/灯りは降り注いでいた/わたしたちがここにいない間にも/何時間もここを離れている間にも/いっしょに帰って来ると/家のなかの空気が感じられる〉
(『わたしの愛する孤独』収録「ともりつづけていた灯り」より引用)

メイ・サートン『わたしの愛する孤独』

今は本に、かすみ草の影が落ちているよ。