16日
もうよく思い出せないけど、夜更かししたのだと思う。理不尽だと思わない?って言われたことが心に残っている。ちょっと可笑しかった。
17日
朝起きられない!練習休む!会いたい人を尋ねていくと去っていく!
この日も夜更かししたのだと思う。
後輩と図書館で待ち合わせる。昔の仕事のことを聞かれたけど、思い出せるけど思い出せなくなってきている。大変だったけど楽しかったのは楽しかったんだよなー。
18日
朝はケーキを食べる。ひさしぶりにちゃんと本屋に行く。楽しい。
本屋にずっと行きたかったんだけど、なんだか踏ん切りがつかなくてなかなか足を運べずにいた。本の世界にも時の流れはきちんとあって、それからドロップ・アウトしてしまったかのような自分が嫌だったのかもしれない。
昼はコノジに行ってみる。通り雨のあと、きらきらした窓辺を見ながらソール・ライターの本を読む。
〈本があるのは楽しかった。/絵を見るのも楽しかった。/誰かが一緒にいるのも楽しかった。互いに大切に思える誰かが。/そういうことのほうが私には成功より大事だった。〉
『永遠のソール・ライター』
この本を読むと(ソール・ライターは悪くないんだけど)つらかった出来事を思い出してしまうんだけど、今回はそうならずに読めた。やっと。
いつも私の想像を裏切って、穏やかにしてしまうんだよね、とゆっくり話す。
お風呂につかる。のんびり過ごす日曜日は本当にひさしぶりだった。
19日
朝から心が乱れているような、そうではないような。夕方、ともだちと待ち合わせて(サンセットおはぎの子)海を見に行く。
本屋と同じで、海もひとりでは来れなかったかもと思う。美しい海を見たり、好きな本を見たりすることを避けているんだ。
心をあまり動かしたくなさそうな自分に気づく。
海の好きなところは、その水面を見ていると、「私はここから出られない、ここで生きていくしかないんだ」と思ってしまうところ。
ネガティブかもしれないんだけど、でも、そんなささやかな絶望があるところが好きだったりするのだ。
きれい。
お互いに、あれからの未来にあったことの話をした。
20日
人の視線が気になる。どんな人の視線も今日はすごく気になって、「目が合いましたか?」と尋ねてしまうくらい。
「見ていたよ」と言われて、安心する自分がいる。
ひさしぶりに本を作る。好きだった雑誌がもうすぐ廃刊になるらしい。でも私が作る本は、私がいる限り廃刊にならないんだ、とふと思って、ばかげているようだが、すごいなとも思った。
「本を編集したり、作るのが好きなんだなっていつも思ってます」と声をかけてくれて、恥ずかしい。嬉しいとても。
カレーがものすごーく食べたくなってスーズカフェにいく。職場の人が教えてくれた。
ここ数日のことをやっと言葉にできた、そしてあと一ヶ月で二十代が終わる。