本のある日記

本のある日記

日記・その時にあてはまる本・ことば・音楽。

積極

最近、心の調子が良くない。思うようにならなかったときに感情を抑えられない。
三者からの視点が欲しくて、職場に来てくれるカウンセラーの先生に面会をお願いしたいなあと、なんとなく思っていた。
担当の人に聞いてみると、今日ちょうどキャンセルでひと枠空いたとのことで、急遽話を聞いてもらえることになった。

相談したのは、職場でよく泣いてしまうことについて。対人関係が原因で涙が出てしまうことについて。過去の経験もふくめて話した。

カウンセラーの先生いわく、
涙が出るのは記憶の中のトラウマが呼び起こされるから、らしい。
頭では(感情を抑えなくてはいけないと)理解していても身体が先に反応して泣く。

泣くという行為を幼少期からどのようにしてきましたか、と訊かれて、私は自分の意見を言えないままひたすら泣く子だったと説明した。

涙でしか感情を表す方法を知らないから、涙が出てくるのかもと言われた。

そしてそういう反応が現れるのは、自分と相手が以前より近づいているということでもある。
泣くこと自体を否定的に捉えることもできるけど、ある意味このハプニングは他人と新しい関係を作るうえで発生している出来事で、心の距離が近づく「積極」の中で起こっていることなのだと先生は言っていた。

そこで思うようにいかなくて、怖くなって泣いてしまうのは、他者と自分が近づいていくことに心のどこかで不安を感じているから。そこに恐れがあるから。

過去の経験から、相手に否定されたらどうしようと思う不安があり、その不安を打ち消せるほどの自信が自分の中に築けていない。
だから相手に近づく途中で、失敗や否定のトラウマが呼び起こされて涙が出てくる。

というような話をしてもらった。

誰かひとりでいいから「この人は大丈夫なんだ」「この人は自分を否定しない」と思えるような絆を築くことができたら、めそめそ泣くことはもう無くなっていきますよ。とも言われた。

今の職場に変わってから心の調子は良くなってきたと思っていて、だからこそ最近の感情の振れ幅に戸惑っていたんだけど、
逆に言うと職場に慣れてきて、その中で新しい関係が作られていることのあらわれ、がこの感情の揺れということなんだと思う。(うまくいえないけど)

相手を(この人は自分を否定する人ではないと)信じることが第一歩らしい。


本当は職場だけでなくて大切な人の前ではいつも泣いてしまうし、それが本当に嫌だし、良くないことだとは思うのだけど、
本当に好きで本当に近づこうとしていたから、泣いていたのだろうか、と後で思った。


いろいろ話をしながらまた泣いてしまったけど、カウンセリングを終えて、散らばっていた感情たちになんとなく整理がついたような気持ちがした。




松井玲奈『カモフラージュ』

桃の話はなんとなく好きだった。
果物にフェティシズムを感じる界隈って定期的にあらわれるよね。