本のある日記

本のある日記

日記・その時にあてはまる本・ことば・音楽。

もう夏も終わりだね

19日
夜、練習。大変だったけど楽しかった。とてもよい葡萄をいただく。
ずっと雨。夕焼けでも雨。

20日
悪夢を見る。拒めない夢。離れていく夢。

なんとなく気になる。普通にすごしていても、なんとなくなんとなく気になる。
気を抜いたところでタイミングが訪れてびっくりする。
外はずっと雨だし、頭は痛い。
コロナはどんどん迫ってくる。もう受け止めるしかないのかも。
自分はそれなりに芯はあるのではと思っていたけど、受け止めるしかないと諦める場面もたくさんあるよなって最近になって思った。受け身になってしまうというか、限界がくるまで跳ね除けないというか。

年下の女の子は、処理しきれないなりに感情をきちんと表現して、まわりにも伝えている。
私が彼女の気持ちに共感したとしても、感情に対するアプローチは私たちはまるで真逆なんだと思う。
私ならとてもそんなふうに、素直になれないと、今日は思ってしまったんだ。

夜は電話をする。
明確な言葉にあらわされないことが、悲しいと思っていた。
しかしあるいは、もう言葉にしなくてもよくなったのかもしれない。声が聞けてよかった、と言っていたみたいに、大切にするところがそこじゃなくなったのかもしれない。
感情をかたちにする確認ではなくて、存在の確認で安心するのは、確かにあると思う。

そういえばなんとなく人のためにしたことがあって、そこに気づいた人が、ありがとうございました。明日はきっといいことがあります。と連絡くれてすごく嬉しかった。
こういうの気づいてくれた人、二人目だなあと懐かしくなった。

島本理生『一千一秒の日々』

ときどきすごく恋の何かを読みたい時期というのがあって、そのとき手元にあったのがこれだったので再読。
でも今回は、痛くて一話しかきちんと読みきれなかった。

自傷する女の子の話があって、それおかしいよ、家族に言いなよ、みたいに言われる場面があるんだけど、そういうことがよけいにつらいんだろうなあと感じてしまった。
いつだって、傷跡は消えていないんだよって、傷跡をわざと撫でるみたいな、そんな読後感がある。島本理生の作品には。

傷跡を撫でて痛みが出ることで、愛しさを自覚する、そんなかんじ。
宇多田ヒカルのFor Youみたいなかんじ。

For You

For You