本のある日記

本のある日記

日記・その時にあてはまる本・ことば・音楽。

十年目のジンクス/他人じゃなくなりたい

「私の所望(のぞみ)はね 貴方に可愛がってもらいたいの」/「何 内君(おかみさん)にしてくれと言っているんじゃない/唯 他人らしくなく/生涯親類のように暮らしたいというんでさね」

泉鏡花原作:中島千晴漫画『義血侠血』より引用/台詞は漫画版より)

11/1
母親から連絡がある。骨折したらしく心配。

2日
友人に会って、牧場に行く約束をする。
歯医者で大号泣。大丈夫かな?
夜は少し電話をする。

3日
仕事で朝から仏生山へ。ことでん琴平線は学生時代よく乗っていたので、なんだかなつかしい。ことごとく行きたいお店が閉まっていて残念。

帰宅して、疲れがどっと出てずっと眠り続けてしまう。夜に起きて、なんとか練習へ。(見るだけだけど)
そのあと実家に戻ると父親が帰ってきていて、偶然の再会を果たす。

今日、ふだんあまり連絡をしない人が連絡してきてくれて嬉しかったのだが、疲れが勝って「今日は疲れてるからまた今度話すね……」と言ってしまう。でも正直に言えるのはいいことだと自分では思っている。

もうひとり、友人から連絡がきて明日入籍するのだと教えてくれた。ちょうど十年前の大学祭で私が彼女に紹介した人と結婚するのだ!
私たちは十年後も誰も結婚していないよと、当時は笑いあったけどそのジンクスも崩れた。なにはともあれ良かった。


「可しい(よろしい)/決してもう他人ではない」

(『義血侠血』漫画版より)

この『義血侠血』の講義を大学で一緒に受けていたよなあ。
泉鏡花『義血侠血』の漫画版が収録されている。『Kの昇天』の絵本を読んだら漫画版も読みたくなってこれを購入したのだが、『義血侠血』の切なさのほうが胸に残った。
あとタイトルがいいと思う。たしかに義血で、たしかに侠血。
「あなたにかわいがってもらいたいのさ」と言う前後で、ちょっと照れるのが可愛かった。

支配ではないけど、好きな人に自分の命(と等しいくらいのもの)をゆだねてみたい、とか、捧げてみたい、そんな欲望を泉鏡花の作品からは感じたりする。