本のある日記

本のある日記

日記・その時にあてはまる本・ことば・音楽。

わたしが駒鳥

26日

『「適応障害」ってどんな病気?』

職場にこの本があった。
それなら一番つらかった頃の私だって適応障害だったんだ。って思った。

「死にたいって言ったり身辺整理をし始めるとまずくて、入院も必要な段階らしい。ふーん、って思ったよ」

って、電話で話すと、
「そういう人が身近にいるの?」と尋ねられて思わず黙ってしまった。
「職場にいるの?」と相手がかさねて聞いてくるので、少し悩んでから、
「わたし」
と答えた。

「昔の私」と言うと、今度は相手が黙ってしまった。
「でもそう考えると、いまはとても回復したって思ったんだよ」と私は続ける。
それは本当だし嬉しいことなんだけど、
死にたかったころのことを言いにくいと思う気持ちが、自分の中にまだあることにちょっと驚いた。
まだ後ろめたくて、まだこんなにも生々しい。そしてあなたに話すのがこわかった。

前の日記を読むと、二年前はあんなに傷ついていたと書いてあった。
それより前はもっとつらかった。
つらいときのほうが、言葉はたくさん綴られていたし流暢だったかもしれない。

いまは日記書く意味あるのかなあと思うときもある。平和になったから。でも、
でもでも。
積木くずしみたいにいつか、一気にばらばらになって崩れおちるかもしれない。それが少しも不思議ではない。

当たり前みたいな顔をして生きているけど、本当はいつもぎりぎり一杯だし存在価値もわからない。
今日だって大きなことは何もないのに、なぜか苦しくなった。

そう考えると私たちがんばっていると思う。(と、前向きにまとめられるようになったことが進歩だと思う)