本のある日記

本のある日記

日記・その時にあてはまる本・ことば・音楽。

ちいさきもの

枕草子で、ちいさいものはみな可愛らしい、という章があったよね。

一穂ミチ『スモールワールズ』

連作ちっくな短編集。ホラーではなくて、少しサスペンスというか、「人って怖いな」系の物語。読んだ人から、「ピクニック」がめっっちゃくちゃ怖いから誰か読んで!という感想を聞いて、読んでみた。
ん〜〜救いがないけど、途中からちょっと乙一っぽくてそこはテンションあがった。

とりかへばや物語」がひとつのキーワードとして出てくる「愛を適量」と、不倫ではないけど、年下の男の子をちょっと意識しちゃう「ネオンテトラ」が好きだったな。

そう、「ネオンテトラ」を読んで、町田そのこの『52ヘルツのクジラたち』を思い出した。

傷ついてる女性が、傷ついてる年下の少年に(シンパシーを感じてるかどうかは、わからないけど)ある種の執着というか、近づいていく話。

もちろん、人と人としての心の交流がそこにはあるし、恋愛や友情とはまた別の、純粋な絆を描くために(効果的に)そういう設定があるのかもれないけど、私は、歪んでる部分があるので、
物語の主人公である彼女たちは男性に、あるいは周囲に、傷つけられてきたわけで、
そんななかで出逢った「誰かに傷つけられた年下の異性」は、
「自分のことは傷つけてこない」というような安心感を抱きやすい存在なんじゃないかなあと思ったりする。

違うってわかってるけど、どこかでそういう部分があるんじゃないかなあって思う。
だって目上、もしくは同じ立場の(同世代の)人から傷つけられてきたのが彼女たちだから。

私は同世代が怖い。男性は好きだけど、傷つけられるのは怖い。年下の子は無邪気で意地悪でも大人みたいには私のことを傷つけたりねじ伏せたりしてこない。
私は、そう思っちゃう。そうした期待のぶん、拒絶されるとつらいと思う。その落差が「ネオンテトラ」のあの結末の冷たさに繋がっているような気もした。
『先生の白い嘘』も思い出した。

枕草子も思い出した。
全部、違うんだよ。わかってるけどね。


5日
朝から練習。先生が、世界では大変なことになっている。自分たちはこうして練習しているけど……と言っていた。
夜は焼肉(部屋で焼く)。おいしかった。
キャンプ動画を見ていた。

6日
この日も練習。先生がフライドポテトをくれた。帰りに、久しぶりに書店でたくさん本を買った。
「結婚はしてみたほうがいい、子どもも育ててみたほうがいい」「幸せは待っていても来ない、自分で掴みに行かなきゃ」とアドバイスをもらった。

7日
無くしものをしてひやひやする。上司が一緒に探してくれた。おやつをたくさん買う。
シュークリーム食べた。おいしい。

8日
仕事が張り詰めている。早めに帰宅するけど、眠れない。

9日
いろいろ一段落つく。ほっとする。夜は電話をしてすぐ寝る。

10日
仕事、なんとなく落ち着く。でも明日は忙しいかも。夜は練習。夜に練習は久しぶり。

ニュースを見ると心が暗くなる。終末が近いのかも、と思うと、自分は死ぬのが怖いんだなって実感する。
普通が、戻ってきてほしい。