『serial experiments lain』が好きな私。
安倍吉俊さんの原画展「円環帰点」を観に行ったよー!

おもえばおととしの年末にアニメ『serial experiments lain』(以下、lain)を初視聴し、心をもぎ取られたのだった。
lain自体はもうはるか昔の作品なのだけど、昨年末には雑誌『Continue』でなんとレイン特集があり、そしてこの夏、キャラデザを担当された安倍さんの原画展が。
ありがたい巡り合わせで、行くことができた。
田舎者の渋谷感想と合わせてレポします。
渋谷には11時ごろ着。とりあえず昼食とるか……ということで、駅ナカにある「こめらく」へ。

鮭といくら丼+豚汁セット。豚汁2人分くらいあるけど、白みそ風味でおいしかった。一人客が結構多くて、若い女性も多かった。

7〜8年ぶり?の渋谷スクランブル交差点。ハチ公を探すも、外国人観光客で長蛇の列が出来ておりハチを遠くから眺めるだけにとどまった。「マーライオンみたいなもんか〜」と過ぎ去る人々が言っていて、なるほどなーと思った。
肝心の交差点は人が多すぎて何も見えない。意外と赤になるまでが早い。
会場近くには渋谷タワレコがある。(なんか渋谷カルチャーの歴史を感じて感慨深かった)
道に迷いながら、いよいよ会場のidoビルへ!
この日は来場者多数だったらしく、整理券が配布されていた。渡された整理券は100番台!1時間前は待ちなしとSNSにあったのに!しまったー。

会場は、おそらくLainリアルタイム世代と思われるお兄さん方はもちろん、若い方も多かった。性別は男性やや多めだが、若い女の子もたくさんいた。
会場外にも大きなLain絵があり、わくわくする。

順番が来るまで他の場所でお待ちください、ということで、近くのカフェで時間をつぶすことに。暑いので観光する元気はなかった……。
近くのサンマルクカフェへ入り、アイスティーLサイズを注文。半地下で、少しレトロな雰囲気の良いお店だった。居心地もよし。

最初は130分待ちで絶望していたが(帰りの飛行機に間に合わないよー!)なんとか行けそうな時間帯に入ることができた。
入場券はノーマル1000円か、アクスタ付き1,800円。アクスタ付きを頼む。アクスタの種類が選べて嬉しかった。
私はLainリアルタイム世代ではないので、当時の雑誌は見る機会もなく、知らない玲音の絵がたくさん飾られていて興奮した。
入ったときは狭いのかな?と思ったが、会場は奥行きがあり、想像以上に多くの原画が展示されていた。
原画はメカやコード、コネクタの細部まで緻密に描かれており、キャプションによると安倍さんはlainの開発当時はまだ学生だったらしい。すっごい絵が上手いな……と思っていたら、東京藝大の院を出られているらしい。存じ上げなかった。
『NHKにようこそ』の絵も展示されていて、いっきに高校生の頃へタイムスリップ!読んでたよー。これもそうだったのか……と感激した。なるほど、私の初・安倍吉俊は『NHK』だったのか……。

こんなふうに、『lain』以外の作品もたくさん展示されているのだが(卒業制作は圧巻だった)、数ある作品の中で気になるのは、強く惹かれるのはやはり『lain』なのだった。

ガラスの額装の向こうから、スケッチブックの白い世界から、レインがメランコリックな表情で私たちを眺めている。
私の知り合いはlainを観たけど一話で離脱したしうだ。よくわからなかったと言う人もいるし、でも好きな人はすごく好きな作品でもある。
どうして私は(あるいは、私たちは)lainが気になるんだろう。彼女を見るたび、自分の中に潜在している孤独や、つながりたいと願う自分を、思い出すからかもしれない。
lainという存在は私たちの中に普遍的に存在する孤独、そして肉体から切り離せない精神的な苦痛と似ているんだと思う。
lainの絵は多くがCGで着色されているが、原画はすべて鉛筆で描かれていたと初めて知った。
絵はギャラリーの中で、「もの」としての力、存在感を発揮していたと思う。本と似ている。アナログで重たくて、でもそれだから発せられるメッセージもあると思う。私たちが自らの肉体を、「彼女」のようには捨て去れないみたいに。
もうはるか昔の作品なのに、この原画展で私(たち)はまたlainと再会し、「serial experiments」のまっただ中に取り込まれてしまった。
……おみやげをたくさん買いました。普通に二万超えてびびりました。

アクスタかわいい、おまけでくれたカードがlainでうれしい。
『灰羽連盟』、近いうちに観たいなあ。