本のある日記

本のある日記

日記・その時にあてはまる本・ことば・音楽。

しれっと知床

18日

今日あまり良くなかった。朝から気がふさぐ。
しれっと子宮がん検診がある。しれっとみんないるんだけど、こんなことをみんながみんなしれっとやってるの、異常といえば異常だと思う。

暗い気持ちになると、いっそ自分のことを追いつめたくなってくる。と言っても例えばすすんで人と関わらないようにするとかその程度のこと。
そうしたほうが、進捗があがることもある。
色々嫌になってきて、そうだ、帰りに本屋に行きたい。と強く思う。本屋で新しい本を見たい。
それを励みにして仕事を終える。

嫌なときほどちゃんとやろうと思って、止まっていた案件をすすめるためにメッセージを送る。すると、今、知床!と返信があって氷の世界の写真が送られてくる。(マイナス20℃)どうかご無事で。

余裕がないときに書店や図書館に行くと、欲望がいつもより鮮明に浮き上がって、スムーズに本を選べる気がする。求める視点がむきだしになるというか。
2店訪れたけど、私だけしか客がいなかった(時間も遅かったから)。

ペーパートークに出すならそろそろ文章を書かないといけないのだが、気が向かない。
一応、考えてはあって、殺伐としたものと普通のもの。どちらがいいですかね?と店長さんに聞いてみると、どちらでもいいですね、と返ってくる。
でも、最近殺伐としたあなたを見ていない、と言われたので、殺伐としたものにしようかな。

落ち着いているけど、殺伐としてないわけではない。今日だってひりひりしてる。だから今日は、傷つけそうな人には連絡しない。
本を買うと、嫌々がおさまってくる。

本と車とぬいぐるみ。自分からは語りかけてこないものばかりを大切に思っている。

『ar 2021年2月号』

ar 2021年 02月号 [雑誌]

ar 2021年 02月号 [雑誌]

  • 発売日: 2021/01/12
  • メディア: Kindle

買わないつもりだったけど買ってしまった。よわよわ特集(うろ覚え)というのがあったのと、色が可愛い。読むサプリ。
アールは、「わたし辛いけど耐えてがんばる」ではなくて、「つらいときは自分を甘やかそう」みたいなテイストでよい。

痣をつけるか、つけられるかする夢を見たのを、本を読んでいて思い出した。すごく押してた、皮膚を。

ココアが冷めても

17日
昼から出かける(人混みは避ける)。思っていた一日とは違って、ちょっと混乱した。??がたくさん飛んでゆく感じ。
ホットチョコレートが車の中で冷めてしまった。
これはこれで捨てずにまた明日飲もう。
気になっていること、それはそれでまあこれから考えよう。

〈藤沢さんと一緒でも平気なのは、きっとまるで好きじゃないからだ。〉

瀬尾まいこ『夜明けのすべて』

夜明けのすべて

夜明けのすべて

PMSに悩む藤沢さんと、パニック障害に苦しむ山添くんの物語。
瀬尾まいこのヒロインはときどきヤバいなって思うのだが(今作も相当やばかったのだが)、読みやすかったし読み進めるほどページを早く繰りたくなる物語だった。
ボヘミアン・ラプソディ』のくだりが良かった。
全く恋愛に発展しないのかと思いきやそうでもなく、おまけの甘さのような味わいがあって嬉しい。
好きになることはできる、は良い言い方だなと思った。
ハイテンションで終わるところに一抹の不安は残るのだが……。意外とこの先、やっぱり恋愛にはならないかもね、とか思ったり。
なによりこのふたりは環境がいい……。傷んだ心に大切なのは自分をとりまく環境。

引用した箇所は、なんとなくわかるような気がした。好きだとだめになることもある。

これを読んで、布団にころがって、なんだか、まあ自分のペースでいいか。と思ったのだった。
あまりとらわれずに。

壊せるところを探している

16日
仕事つかれた。もう忘れよう。
間違ってなくても、信用がないと間違ってるように思われることもある。

明日が怖い。早く明日がきてほしいのにずっと今夜のままがいい。

〈そうやって彼女を所有するのはどんな気分?〉

千早茜『透明な夜の香り』

透明な夜の香り (集英社文芸単行本)

透明な夜の香り (集英社文芸単行本)

これよかったなー。
小川洋子の『薬指の標本』に近いものを感じた。依頼者の望む香りをつくる調香師の朔、朔の友人であり理解者の新城、そして彼らのもとで働くことになった女性・一香。
一香は感情の起伏があまりなくて、朔のことを「先生」と呼んで一定の距離をおいて接するんだけど、だんだんと互いに近づいてしまう。
本の外側にいる私は、もっと近づけばいいのに。あいだにあるものを壊しちゃえばいいのに。
と、もどかしい気持ちで読んでいた。
それは登場人物たちも同じで、わきまえて接していたはずの関係性に、所有欲のような欲望が出てきてしだいにおかしくなっていくのが読んでいてわかる。
でもその危うさが魅力的だし、大切に思っているのに自分の欲望もぶつけたい、みたいなエゴが出てくるジレンマがとても良いし愛おしさが際立つ。

けれど、魅力的に思えるのは物語の中のことだからなのかもしれない。
現実になるとたぶん上手くいかない。私は、上手くいかなかった。どうすれば良かったのか今でもわからない。自分から近づいたのに怖くなってしまった。相手のこともだし、その人といる自分のことも怖かった。

一香が、感じる印象を色で表すところが好き。紺色の声とか。

この話ともうひとつ、ちょっとずつ狂っていく話を読んで、今なら壊れてしまったものとも向き合えるかもしれないと思ったけど、やっぱり怖い。

今でも好きな人たちみんなのこと、どこかで壊したいなって思ってる。石橋を叩いて、私と向こうのどちらにどんなひびが入るか試してみたい。
でもそういうことが今は試せなくなった。
この一年のうちに出来なくなった。

正しさというところから見れば、とても良いことだし、歳もとったし落ち着いてきたんだと思う。
けど心のどこかでまだ、欲望がときどき私を手招いている。でもそれじゃ全然しあわせにはなれないんだよ。



今週のお題「大人になったなと感じるとき」

軽薄と再生

クローゼットの中で
値札がついたまま眠るスカート
これを買ったとき
いったい何になりたくて
これを着なかったことで
わたしは何になれなかったのだろう


きょうのてきとーポエムです
あしたはこのスカート履いて仕事します

14日
嫌な夢を見る。突然置いていかれる夢。急にいなくなるの無理です。夢は私の本当に怖がっていることを知っている。

髪の毛とんでるなーと思ってたけど、いつもと分け目が違うよね。いいと思うよ、って先輩が言ってくれる。

15日
「なんでこんなとこにわざわざ来ないといけないんだよ」という言葉が聞こえてくる。こんなとこ、と言われたのは私の職場のことだった。私の聞こえるところで言うとはいい度胸やな、と思うけど何も反論はしない。人それぞれだから仕方ない。

いつも単独で仕事しているけど、今日は他部署のみんなと動く時間が多い日。会話も増える。
楽しく話していると、(特に男性と話していると)みんなつらそうな顔で仕事しているのに私はのんきに笑って話して、軽薄かな?と急に考えてしまう。

最近仲良くなった人と話していて、つい「じゃあね」って言ってしまった。私にしてはフランクすぎた。

菜の花が咲いてるし、日差しが柔らかいし、もう春が来ている。

コートを取りに実家に帰る。新品のスカートを見つけた。一年前に買って、履かぬまま引っ越しが決まり、値札もつけたまま置いてきたもの。それが今日の適当な詩。

古いCDも持っていく。帰りに車のなかで掛けてみると、ディスクを入れた途端に10年以上前の私に戻ってしまう。初めの曲が決まっていて、流れも全部覚えていて、自分の部屋でずっと聴いていたころの記憶が一気に甦る。
サブスクにはない良さだし、これが本当の意味での〈再生〉って感じがする。


ループ&ループ

ループ&ループ

ちなみに『ソルファ』です。大好きだった。あのころはこれを聴きながらずっと空想の世界にいた。
あと、すごく春の雰囲気がある。(春に聞いていたからかもしれない)

嬉しいって言えない

「はじめて自分の意思でここに来たんですけど、楽しい」という言葉をもらった。
ここというのは、私の職場のこと。

そのときは「それは良かった」くらいで流したんだけど、後からだんだんと嬉しくなってきた。
嬉しいときに嬉しいってぱっと言えない。素直に表現したい。嬉しかったんだよなー。
去年、別の人から「ここには娯楽があるからここに来る」と言われたときも嬉しかった。でもそのときも言えなかった。楽しいと思えるところを作りたい。だから、それを感じてもらえるとすごくじーんとくる。

夕方、用事があって昨年度働いていたところを訪れる。「今の職場、だんだん楽しくなってきた?」と上司の方に聞かれた。そのときも楽しくなってきた、って素直に言えばよかった。ちょっと詰まった。この空間(昨年度の職場)はすごく好きなんだけど、居ても違和感ないですね、とも言ってもらえるんだけど、やっぱり離れて一年近く経つと、もう自分の居場所ではないと思ってしまう。

3月で一区切りつくけど、それまでもっと盛り上げていきたい。公園でフリーマーケットを催すような気持ちで、誰に対しても楽しく。

『ファッションが教えてくれること』

ファッションが教えてくれること(字幕版)

ファッションが教えてくれること(字幕版)

  • 発売日: 2016/07/06
  • メディア: Prime Video
お正月に観ていた映画。お仕事ものを観て今年も頑張ろうと思いたかった。

米国版『VOGUE』の編集部に密着したドキュメンタリー。氷の女王と呼ばれる伝説の編集長、アナ・ウィンターの存在感がすごい。でもお洋服も顔もかわいい。
アナ・ウィンターをメイン……にしていると見せかけて、メインになっているのはクリエイティブディレクターのグレース・コディントンだったりする。

未来を見つめる頭脳と仕事のアナ、過去を眺める才能と芸術のグレース、というような対比が見える気がする。アナはもちろんすごいんだけど、誰にも持ち得ない才能があるのはグレース。みたいな。グレースはとても不憫なんだけど。

あと、この映画にオーケーをだしたシエナ・ミラーの懐の広さはすごいなと思う。(映像のなかで散々な言われようだったので)