本のある日記

本のある日記

日記・その時にあてはまる本・ことば・音楽。

人生の美しいとき

ヤンフーさんのインスタを見ていて、伊澤一葉善通寺でライブすることを知る。すぐ応募してみる。わっち香川に来るのか……と感慨深かった。

東京事変が好きで、もう十年以上前になるけど香川県にライブに来たとき観に行った(友人が申し込んでくれた)。その時以来。

わっちのピアノ好きだった。「能動的三分間」のMVで花束を投げつけられるわっちも好きだった。

 

3/16(土)

会場は善通寺の偕行社。善通寺にはたまに行くが、偕行社は初めて訪れた。はじめどこから入れば良いのかわからず戸惑った。

善通寺市は建物や町並みがいい雰囲気。香川らしさもあるし、異国らしさもある。

行きしなの道中、東京事変で好き(わっちのピアノパートが好き)だった曲を聴いていた。

かなしみよ横たわってわたしを喰い尽さないで/関わり合って居ない知能と肉体だけ持て余して

東京事変「絶体絶命」)

絶体絶命

絶体絶命

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この歌、東京事変で一番好きかもしれない。かなしみがいつも、かなしみと呼ばれる誰かの存在だと思って聴いている。

 

冷めきった終点なんて 秋空の夕日に寄り添った/まぁいいでしょ/何度もそう すがりたくはない

東京事変「シーズンサヨナラ」)

シーズンサヨナラ

シーズンサヨナラ

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この歌詞の部分のボーカルとピアノの掛け合いがすごく素敵です。

 

(以下にセトリのねたばれがあります。)

 

イドカフェさんのいちごソーダを買い、席で飲む。定刻が来て伊澤さんが登場した。横をすーっと通り抜ける伊澤さん。わっち………。

わっちは終盤で「落日」を弾いてくれたのだけど、ちょうど窓の外にも夕焼けが落ちてきていて、ピアノの音色とともに、たまらなく美しい時間だった。

美しい人間、美しい建物、美しい音色、美しい夕陽。天国もこんな風ならいいのにね。

落日

落日

こんなに良い歌がどうしてカップリング曲なの?

「落日」は学生時代すごく好きな歌だったので嬉しかった。その後思いがけず弾いてくれた「人生のメリーゴーランド」も良かった。

近くで見るわっちは仔犬のような、魅力的な瞳をしていました。

これはライブのあとの落日。東京事変が香川に来たとき、林檎さんが、瀬戸大橋を渡るときの景色がとても美しかった。と言っていたのを思い出した。

 

血迷ったあたしのアクスタ、と彼が話していたわっちのアクスタ(大)買いました。

 

帰りにヤンフーのスープを買ったのだけど、それがめちゃくちゃ美味しくて生のよろこびを実感した。いい時間だった。

 

以下日記。

 

3/15

この日が一番大変そうだったが、いろいろ一段落する。同時に、もう終わっちゃったな……とも思う。「ありがとうございました」と、言いたかった人に伝えられて良かった。夜は髪を少しだけ切り、そのあとyomsに寄って帰る。

今日から夫は友人の結婚式のため泊りがけで出かけている。急に拠り所がなくなったように思えて、どこに行っても自分がいるのはここではないように思えて息がつまりそうだった。過ごせるよ。でも不在で存在を再確認した。(江國香織が昔こういう風に書いていたのを思い出した。) 

 

16日

朝、習い事。昼は先生とラーメン。

午後は冒頭の通り。

 

17日

昼から習い事。

夜、後輩とお茶をした。色々話せて良かった。会うまでは気が重くても、会えて良かったと思えて嬉しかった。

恋の話も聞いた。みんな幸せになってね。

夫も帰ってきた。夫はとても楽しかったらしい。良かった良かった。

 

この前の日記に書くのを忘れていたのだが、こんな会話を先日した。

「普通に過ごせているから、大丈夫かもしれないと思った」

「普通に過ごせているから大丈夫、ということではない」

どちらかが私です。でもどちらの言いたいこともわかる。

 

来週も楽しいことあるといいな。

 

 

初恋の亡霊

3月9日

新海誠秒速5センチメートル』『彼女と彼女の猫』『ほしのこえ』観る。

秒速5センチメートル、思っていたよりずっと良かった。これもまた誰かのことを「待つ」話だったんだなと思った。春だ!

ラストは急に終わって少し笑った。

夫の感想いわく「初恋の亡霊」。

 

ほしのこえ』は10年近く前に深夜放送で流れていたのを見てトラウマになっていたが、やはり悲しい物語だった。新海誠さんの作品は遡っていくたび濃度が濃くなるけど、それもまた良きかな。

『彼女と〜』はシンプルでいい。ちょっと乙一っぽい。

 

10日

夫とchaiでごはん。彼は誕生日が近いので、お祝いする。食後にはさくらラテを頼んだ。

思いついてドライブがてら河津桜を見に行くことに。すでに満開だった。ちょうどお祭りをしていて、歩きながら桜を眺めることができた。

あたりの景色はとてものんびりしていて、こういうところで何にも脅かされず生活したいなという思いもある。拒否されたけど。

帰宅して、なぜか『SLAM DUNK』の映画を観る。私は原作派かな……。ミッチーがMVPだね。

 

12日

朝から雨。朝からいろいろなことがあって私も夫も長ーーーい一日だったと思う。嬉しいこともあったし楽しいこともあったし残念なこともあった。ちなみに会議があったけど会議も長かった。

帰宅後、二人して疲れていたので、お寿司屋にいき黙々と食べた。

 

13日

いつから温かくなるんだろうね? もう三月だよね? という話をした。

最近忙しくて、忙しいとふいに一人になったときにうまく気持ちを切り替えられない。

 

14日

とたんに温かい。服装もかるくなる。フェティシズムのような話を職場の人とした。本の話も少しした。真剣に本のことを話したのは久しぶりな気がする。

言いたいことはわからなくもない、みたいな話の収束だった。

 

色々なことに思いを馳せてはそわそわしている。「変やで」とも言われる。落ち着かなさすべてが春のせいだと思いたい。

 

このままでいいのに、どうしてこのままでいられないんだろう、と思うことが本当にたくさんある。

どこかで何かを手放さなければ、私が次に欲しいものは得られないと知っている。でも私はこのままでいたい。本当は終わらせたくも壊したくも手放したくも離れたくもない、このままずっと同じでいたい。

そう思うと、またうまくできなかった。

 

最近、わからないと感じていた、とあること、が段々わかるようになってきた。わかるということは安心そのものだけど、わからなさほど切迫した思いも他になくて、わかってしまえばあとは遠くなるだけという合図でもある。

少しだけ寂しいね。まだ許されている今週が、あと三週間くらい続けばいいのに。

 

 

 

 

 

 

今週のお題「小さい春みつけた」

さみしさはつづく

さみしそうだから、と言われた。
そんなたった一言で、他者が心の中に踏み込んでくる。
そのつもりはなくても、私から見ればそれを言った人はすでに私の領域の中にいる。
心の中のことを指摘されることなんてあまり無くて、それをされる度にいつも怖くなる。
過去にそれをされたときは、いつもうまく行かなかった。自分の感情をひとつ開けられると全部出してしまいたくなる。でも感情をぶつけるのって暴力だよな、と最近わかって、気をつけるようにしている。

話しかけるためのきっかけだったり、その場をつなぐための冗談がその言葉なのだと、わかってはいる。それでも苦手だ。

誰かと話すことは楽しいし、誰かのことを知るのも楽しい。でもその時間が終わったときに残る感覚はただひたすらのさみしさ。話していた相手がいなくなったさみしさと、会話の中で自分を明け渡してしまったことへの不安。失望されていないだろうかとか、わからないままでいるほうが良かったかも、とかそういう不安。でも自分のことはきちんと伝えたい。それでだめならしかたないじゃん、とも思えるよ。
だけど不安はつづく。
他者と関わりを持ったあとの、一人きりで考えなくてはならない、この時間が嫌いだ。

そこまできてようやく、自分はあの言葉どおり、さみしがっているのだと気づく。
さみしさがあって安心する面もある。まだ私、こんなに心が動揺できるんだ。心が動けば動くほど日々はきらきらするし、言葉を書く意欲も湧いてくるから。
心が安定しきってしまえば、私は何も言葉が書けなくなって、残すことができなくなって、生きる意味に影響を及ぼしそうだと恐れている。だから心が不安になったり嬉しくなったり動揺したりすると、まだ大丈夫なんだと根拠もなく思ってしまう。

けどさみしくなるのはつらい。
それならやっぱり、何も感じずに、知らずにいたほうが良かったのになとも思います。

本当はいつだって不安を打ち消す確証が欲しい。それが無いのに、どうしてみんなは他者と関わりつづけて大丈夫だと思えるんだろう?

 

 

 

3月7日

隣の席に座った人と色々、これまでしてこなかったような話をしてみる。

夕方、すべての思考をいったんオフにしたいなぁと思う。そういうときは体を動かすのがてっとり早いのかもしれない。

 

8日

夫が朝起こしてくれる。私は彼のおかげで生きられている。

最果タヒ『恋できみが死なない理由』読む。

外はとても風が冷たくて、このあと春が来そうだね。

昼食時に隣になった人と、また色々な話をした。(昨日とは別の人)

隣に腰掛ける人ということがどういうことなのかを、考えた。私の場合はたぶん、自分を否定しない相手。

 

別の人から、出産の予定とかないの? とすごく気を遣われながら尋ねられた。

「したいけど、まだ予定がないからなあ」と素直に答える。

 

また、思いを声に出してしまった。と、あとから思った。声(会話)にしてしまったら、なぜだろう。すべて心の中で感じていた思いとは別のものとして、この世に出してしまった気になるんだ。

 

誰も同じでなくていいし、通じ合わなくていいし、わかりあわなくてよくて、それでも話していていいとだけ思いたかった。お互いに、話していていいと思いたい。

 

最果タヒ『恋できみが死なない理由』あとがきより引用)

一気に読むには贅沢すぎて、三日に一ページずつ読むのが良いのでは、と思えるような素敵な本だった。

 

いま、日記をすべて書き終えてひとつ思ったことがあるのだけど、それはまだ書かないでもう少し自分の中に置いておきたい。熟すまで。もしくは、忘れてしまうまで。

 

いまだけモラトリアム

お久しぶりです。忙しくて、ずいぶん日があいてしまいました。

 

2/29

残業続きで私生活は崩壊、家庭も崩壊寸前。

例年より一日多いだけなのになんだか、まだ月が変わらないのだ。って、余裕があるみたいに思えて嬉しい。

 

3/1

仕事が一段落つく。職場の飲み会があったが、自分ももう若くなくて、若い扱いもされない事実をひしひしと感じた。いい大人になりたい。先輩は人間関係ドライにしていきたいと話していた。

 

2日

遠くの街へ出張する。道中で春の音楽をかけているとスピッツの歌が流れてきて、ふいに映画『ハチミツとクローバー』を観たくなる。

帰宅後、DVDを再生した。この映画を観返すのは二年、いや、三年ぶり、いや、四年ぶり?

蒼井優の花本はぐみは今観るとよく合っているし、とんでもなく可愛い。桜の中で恋が始まる場面が好き。

服装は一周回って可愛い。山田あゆみの白いスカートとかも可愛い。2000年代の空気がバリバリ出てる大学の様子も好き。

前回観たときは深く考えずにいたが、この映画で向かった海は、湘南の海だったんだな。

夫の感想「なんか大学生ぽくて良い、車で海行って旅館泊まるのとか楽しそう」

 

3日

習い事、疲れた。帰宅して苺を食べながら『光る君へ』を観る。鳥辺野というワードに心躍る(あのへんに住んでいた)。

 

4日

忙しかった先週とは打って変わって、ゆとりがある週明け。

車中でaikoの「赤い靴」を聴いて、米津玄師「春雷」と雰囲気が似てるなって思った。あなたが雷のように突然、わたしにショックを与えるところ。

社会で自分の心がすれていくたび、『小さな丸い好日』というアルバムの良さが分かってきたような気がする。日常のほんとに延長線上、というより日常のなかにある歌たちだと思うから。すごく個がある、というか、生活感がある、というか。

 

周りの空気 外の空気/どこかで区切りをつけたのは/あなたの散歩がひどく怖いから

(略)

あたしを追い込んだ無防備な/突然やってくる雷のよう

aiko「赤い靴」より引用)

赤い靴

赤い靴

  • provided courtesy of iTunes

 

5日

飲み会の約束をした。年度が変わってしまう前に決行したいと、急に話して急に決まった。

「(集まっても)話すことありますか?」

「とくにない」

「私は5000個くらい話したいことあります」

「じゃあそれを聞こう」

こんな感じだった。

会議があって、会議の内容は踊りまくって収集がつかない、でも、普段話さない人たちと机を囲んでひそひそ会話したのがけっこう楽しかった。子どもにかえったようで。

 

もうすぐまた忙しい日々が来るんだけど、いま数日間がやり残したことを終えるためのモラトリアムとして、大切に終わらせていきたい。

 

いちご紅茶で緑茶にココア

2月21日

年下の子とランチする。出会ってから初めて一緒にご飯を食べに行って、少しだけプライベートな話もした。カフェは静かで外は雨で居心地が良かった。

苺の紅茶を頼んでみる。とても美味しかった(そして可愛かった)。

午後から会議があるので急いでお茶を飲み、急いで帰った。「こんなスピードで飲むものじゃないですよね」と笑った。

会が始まる前に隣の席になった人と少しだけうにゃうにゃ話して、なんだか良い日になったなって嬉しかった。

持ち場を離れて色々仕事をする。濃いめの緑茶をみんなで飲んだ。

仕事場に戻ると年下の子(カフェに行った人とは別)からココアの缶を手渡された。

「これを渡してと言われました」

先輩が置いていってくれたらしい。缶はまだ温かくて、さっきのことだったのか、その子の手の温度だったのか、どちらにせよありがたかった。

夜は夫がハンバーグを作ってくれる。私より料理が上手。

 

22日

誰かのことを気にすることがあまり無い日だった。こんな風にいつもうまくバランスとっていきたいのだけど。

 

23日

天皇誕生日天皇陛下が64歳ということは、有栖川有栖の作品に出てくるアリスや火村も64歳……?と考えながら目を覚ました。皇太子と同い年という記述があったと記憶している。そっか、『46番目の密室』では32歳だったのか。今の私と同じ……というか、私もアリスたちの年齢に追いついていたのだな。

スパイスカレーが食べたくて、久しぶりのヤンフーへ。開店前から待っていたがあっという間に席が埋まった。ダルカレー美味しかった。ヤンフーは何か好き。高松は素敵な店がけっこうたくさんあって嬉しくなる。

 

待つ合間に、碇雪恵『35歳からの反抗期入門』を読んだ。

ちなみに私が誰かに「仲良くなりたい」と伝える時はだいたい欲にまみれている。それを自覚しているから、あまり簡単にはそのカードを切らない。

(碇雪恵『35歳からの反抗期入門』収録「STOP神格化2022」より引用)

表紙がとても可愛い。

先日半分まで読んでいて、そのときはあまり乗り切れなかったけど今日はみるみる読めた。『花束みたいな恋をした』に大ダメージをくらっているのが面白かった。

(花束のところで)麦が就職後にそれまで愛していたサブカルから遠ざかってしまうくだりに言及していた。私は働きだしてから急に本が読めなくなって、本の世界のことが突然遠い別世界のように自分から離れていった経験があるので、なんとなくわかる気がする。

この映画におけるサブカルは、自分が現実世界の道具になってしまったことのメタファーなのだとも思う。(なんか花束の話になってしまった。)

人の日記を読むと、自分も日記書こうという気持ちになる。こつこつ書きたい。心が動くたび、それを残したい。

 

植本一子さんの『こころはひとりぼっち』から始まり、『ウィークリーウエモト』/『35歳からの反抗期入門』/『サッド・バケーション』の三作を買った。繋がっていないようで、どこか繋がる読書のような気がするし、なんか良いと思う。本で本に導かれて本を手にする。

 

ヤンフーの階段を上がる後ろ足。色合いが可愛いなと思って残しておきたくなった。

 

ヤンフーを出て、ルヌガンガをさっと覗く。本屋大賞候補作がさらりと置かれているが、決して本屋大賞にこだわらない並べ方してて格好いいなと思った。私が店主なら、本屋大賞候補作を店頭に持ってきてしまうだろう。面白そうな本は色々あったが、今日は何も買わなかった。

ヨムスも行きたかったけど、忙しそうだったのでまた今度。

 

職場の人から教えてもらったパン屋「不二ベーカリーレトロ」へ行ってみる。建物がすごいんだ。路地裏に突如巨大建造物が現れるの。

そのあといくつか買い物をして帰宅。

最近夫婦で『めだかボックス』を読んでいる。『グッドルーザー球磨川』って、もしかしてホワイダニットなんじゃ……と思って、その話はまた今度。

 

今日聴いていた歌。

ガーデン

ガーデン

  • 藤井 風
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

 

今週のお題「習慣にしたいこと・していること」