本のある日記

本のある日記

日記・その時にあてはまる本・ことば・音楽。

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

思い出すとめまいがするよ

今日はすごく湿度が高い。それなのに19時でもまだ青空が出ていて、19時なのに虹も出ている。 紫陽花は枯れ始めて、六月は終わります。職場で『檸檬』の話になる。 どうやら檸檬を読むと「えたいの知れない不吉な塊」がわかる人とわからない人に分かれるらし…

(ら)名前のない関係

たまに「私たちはどういう関係なのだろう」と思う人(ら)がいる。 相手のことは確かに好きだが恋人にはならず、普通の友人ということでもない気がする。 俗な意味でも変な意味ではなくて、特定の誰かだけのことでもない。 時おりそういうことが相手の性別に関…

僕でなくては症候群

「あのとき彼から一冊でも本を買っていれば、彼は本屋を続けていたのかもしれない」 「その分岐はたぶん無いです」 こんな会話をしました。その分岐は無い、って中々のパワーワードじゃないですか。また違う場面でこんな会話もしました。 「けどね、こんな僕…

ねまきで本屋

「何が楽しくて付き合っているのか、わからなくなってきた」 後ろを通った若い男の子が言ってた。なんか……なんかすごいな。 私は朝から、仕事のメールを返した。 「旦那さんも子どももいるが、それとは別に彼氏もいる。最近の家庭のかたちも、新しくなりつつ…

あなたが連れてくる本

離れたところにいる相手と、同じタイミングで同じ本のことを思っていた、ということがあった。 心臓がどきどきした!吉本ばななの『キッチン』で、みかげと男の子が同じ夢をみるエピソードあったよね。キッチン (角川文庫)作者:吉本 ばなな発売日: 1998/06/2…

罰を与えた

真綿ではなく、誰かの手でもなく、見えない紐でゆるやかに縛られるような感覚がする。今の職場にいると。 なんにも誰のせいでもなく、しかし苦しくなる。悪いのが誰なのか私にはわかっている。話は変わって金曜日に「背徳会」をしました。それはただただ、職…

魔女に呼ばれて本を読む

月曜なのに気がのらない……と顔をあげたところに本が置いていて、ふと目が合った本があり、休憩中に読んでしまった。梨木香歩『西の魔女が死んだ』西の魔女が死んだ (新潮文庫)作者:香歩, 梨木発売日: 2001/08/01メディア: 文庫あらすじ 「まい」は中学生にな…

本屋さんの本

夏の匂いが濃いです!昼間、去年に東京へ遊びにいったことを思い出していて(新宿のガード下は怖かった)、そのとき色んな本屋さんに行ったのですが、今日ふと開いた本にその本屋さんが登場してきておおーとなりました。矢部智子『本屋さんに行きたい』本屋さ…

すぐに見つけないでください

ごほうびがない。 一週間の終わりに嬉しくなれることが待ち構えていない。 抹茶クリームフラペチーノ、海、新しい本、部屋の冷房。これらも嬉しい、けどそうではない。話を変えます。 職場ですれ違った人に会釈をすると、立ち止まっておもむろに、 「◯◯◯◯(私…

予告と誰か

夢は相変わらずみている。今日は新築の体育館から出られない夢。きれいな建物だった。朝、背後から声をかけられる。咄嗟に「おはよう」と敬語じゃなく返してしまった。普通に言えばよかった。窓の外では、紫陽花がこの前より深い青になっていた。プールの中…

人間とペンギンと檸檬と星

「ぼくは何をかくそう、SF研究会出身」 「あ、アイザック・アシモフ!」 「いや、違う。でもぼくは生き物が嫌い、ロボットが好き」 こんな会話を金曜日に、職場の先輩とした。私はロボットも生きているものも苦手。生き物では人間とペンギンと檸檬と星が好き…

70分19秒

「先月の給与明細、見ますか」 (見ていいの?) 暑すぎて扇風機を出して、扇風機をはさんで会話する。大切な放送が私の仕事部屋だけ流れない午後は世界から忘れられた感じがあってよい。 「どうでもいいような話が大切なんですよ」とその人は言っていた。許さ…

幽霊のジレンマ

〈逃げる夢と帰れなくなる夢があり後者のときはいつもひとりだ〉 (岡野大嗣『たやすみなさい』より)たやすみなさい (現代歌人シリーズ27)作者:岡野大嗣発売日: 2019/10/13メディア: 単行本最近見た夢は、小豆島から帰れない夢。女の子に捕まってのがれられな…