〈桃色の炭酸水を頭からかぶって死んだような初恋〉
(田丸まひる の短歌)
田丸まひる『硝子のボレット』
昔、本屋さんのワークショップで短歌をつくろうというのがあり、そこで田丸さんが講師をしてくれたことがある。あのときも秋だった。
ずとマヨの『ヒューマノイド』聴いていて、この短歌を思い出したのだ。
〈桃味の炭酸水に2人潜り込んで少し泣いてもわかんない具合に晦ましあえた〉
(ずっと真夜中でいいのに『ヒューマノイド』より)
18日
キリの悪いところで夕暮れがきて、帰るか残業するか悩んでいると先輩が
「そういうときは帰ったほうがいいんちゃん」と言ってくれる。
というわけで、早く帰るキャンペーンが始まった。早く帰ると、久しぶりにすごくゆったり過ごせて良い。
なんとなく爪を黄色に塗る。
19日
爪がかわいいと、女の子が言ってくれる。
寒くなって、秋の服をようやく着る。
20日
「仕事は私生活の息抜きです」と話していると
「かえって、君の私生活にはどれだけ闇があるのかと心配になるよ」と先輩に言われてはっとした。
夜、練習を見るだけ見に行って、それからなぜか落ち込む。
なんとなく一ヶ月くらい前から、あれから臆病になってしまったなというきっかけはある。
心に風をたてれば波が起きて泣いたり叫んだりするくらいには、暗い気持ちがあるんだけど無視している。
21日
「大丈夫じゃないね」と言われる。
そんなふうに思わせる自分が嫌。
早く帰って、ずとマヨ車でかけていた。そして桃色の炭酸水に想いを馳せていた。
夜は練習。練習、どうにかして楽しくしたいな。