「何が楽しくて付き合っているのか、わからなくなってきた」
後ろを通った若い男の子が言ってた。なんか……なんかすごいな。
私は朝から、仕事のメールを返した。
「旦那さんも子どももいるが、それとは別に彼氏もいる。最近の家庭のかたちも、新しくなりつつあるようです。」
なぜ月曜の朝からこんなメールを……と我ながら思った。(※本の話をしていた)
なんかみんな髪を切っているし、みんな少し疲れている。これが六月、恐ろしい。
夜、すべてを終わらせたあと本屋へ出かける。普通の本屋さんではないので、パジャマにサンダル姿で向かう。
「密を避けるために」と、前よりすっきりした店内が私を迎える。椅子に座って本を読んでいると、「こんばんは」と知らない女の人がやってきて、なんと!彼女も寝間着に草履である。
「今日はパジャマ会なの?」とは店長さん。
そのあとは各自無言で本を眺める。音楽と虫が鳴いてて涼しくて夜の本屋っていいねえ。
『遠藤浩輝短編集』があったので買って帰る。喫茶店に置いていたのを読んで以来、欲しかった。1と2があるけど私は1が好きで、とくに演劇サークルの話「神様なんて信じていない僕らのために」が好き。
遠藤浩輝『遠藤浩輝短編集(1)』
せっかくなのでパジャマの足元を撮らせてもらいました。
「ほな、気をつけて」
別れ際に女の人はそう声をかけてくれた。