本のある日記

本のある日記

日記・その時にあてはまる本・ことば・音楽。

僕でなくては症候群

「あのとき彼から一冊でも本を買っていれば、彼は本屋を続けていたのかもしれない」
「その分岐はたぶん無いです」
こんな会話をしました。その分岐は無い、って中々のパワーワードじゃないですか。

また違う場面でこんな会話もしました。
「けどね、こんな僕を頼りにしてくれる人がいるんですよ」
「私はそういう考えをもうやめました」

僕でなければ、私がしなければ、他に誰もいないから。そんなことはなくて、私の代わりはどこにでもいるし誰かしらが何とかしてくれるし、私は他の誰の分岐点にもならない。
逆に言えば私たちだって誰かがしてきたことの代わりをしているにすぎない。
ただ、私でなければ出来ないことは無くても、私だからできること、というのはあるだろう。

今でなければ。とは、ものすごく思う。
私にとっては今がその時で、今が勝負なのに、といつも焦っている。

〈社会っていう大きな波を乗りこなすために、つねに社交的でいるだけだ。「この人でなければいけない」なんて思っていない〉
(最果タヒ『コンプレックス・プリズム』収録「どうか話しかけないでください」より)

コンプレックス・プリズム

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  • 作者:最果 タヒ
  • 発売日: 2020/03/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

読んでいたらちょうどこう書いてた。
私でなければいけないこと、に、こだわりたくない。(謎のまとめ)
うまく言えないけど、決してネガティブな意味ではない。責任や可能性を放棄しているわけではないの。私は怒っているのかも。