本のある日記

本のある日記

日記・その時にあてはまる本・ことば・音楽。

閉じた世界

3日
なんだか今日さみしかった。夕方ひとりで仕事してて、ひとりが好きなのに、私のこと忘れないでーという謎の気持ち。
夜も色々あってすごくつかれた。練習は休む。
しばらく悩んで、電話をする。ほっとした。


〈本当は、絶妙なバランスのもと閉じた世界そのものになりたかったのだ。〉
(『行きたくない』収録 奥田亜希子「終末のアクアリウム」より)

アンソロジー『行きたくない』

行きたくない、をテーマにした書き下ろしアンソロジー奥田亜希子さんの「終末のアクアリウム」は、結婚して四年の夫婦の話。
妻の佳緖は、夫の哲大が仕事に行っている日中、部屋に引きこもって過ごしている。仕事はしていない。家事は、したいときだけする。無理しない。
佳緖が外出するのは哲大がいるときだけ。佳緖が望むのは、哲大と二人で過ごす時間だけ。子どもも、哲大以外の他の誰も、いなくていい。

二人でよく行く淡水魚店にあった、「完全閉鎖型」のアクアリウムを見て、佳緖は「これになりたかった」という願望に気がつく。閉じたままの完全な世界。哲大と二人でこうなりたかった。しかしそれに気づいたときには……。

この話好きだなあ。とても悲しいけど好き。
ジョゼと虎と魚たち』の終わり方と同じものを感じる。

ジョゼと虎と魚たち (角川文庫)

ジョゼと虎と魚たち (角川文庫)

二人だけの閉じた世界で生きていきたい、と思う気持ちは、わかる。こわいけどね。

ところで、ODの話をした。ピアスの話もした。
たぶん絶対しないけど、誘惑はある行為。
二人きりの閉じたアクアリウムみたいに、手の届かない遠くにありながらどこかでうっとりするようなこと。

ピアスを人の手で開けてほしいのって、髪を梳かしてほしいと言うようなものでしょう?と言われたのだが、ちょっと違うの。
昔、好きな人に歯を抜かれたいと言っていた女の子がいた(本当にいた)んだけど、そんな感じなの。
わかりますか。
でも、それがわからないのがいいんだと思う。