本のある日記

本のある日記

日記・その時にあてはまる本・ことば・音楽。

碑/白い窓

体調を崩しています……。今年は身体の調子が悪い。厄年だから?

 

・弾丸尾道ツアー

尾道行ったんです。暑かった……。本当は広島市まで行きたかった。

尾道ラーメンはGWの讃岐うどん店くらい並んでいた。さっぱりのようなこってりのような。

そのあと地元のスーパーで飲み物など買うことに。知らない土地のローカルスーパーって楽しいよね。スーパーの二階には書店があって、なぜか『鵼の碑』を購入。

旦那さんいわく千光寺付近に行けば尾道らしい風景がたくさん見られる(はず)ということで、行くことに。ロープウェイ楽しかった。山頂まで登り、下山して観光するルート。

知らなかったのだが尾道は文学にゆかりのある土地らしく、文学碑がたくさん置かれていた(文学のこみちというコースがある)。文学に興味のある私は「文学のこみち」を、ない夫はショートカットを通ることにした。

文学のこみちは割と崖っぷちコースではらはらしたが、急に開けた景色の中でぱっと、林芙美子『放浪記』の碑に出逢った。

 

海が見えた。海が見える。五年振りに見る、尾道の海はなつかしい。汽車が尾道の海へさしかかると、煤けた小さい町の屋根が提灯のように拡がって来る。赤い千光寺の塔が見える、山は爽かな若葉だ。緑色の海向うにドックの赤い船が、帆柱を空に突きさしている。私は涙があふれていた。

林芙美子『放浪記』より)

これが石碑に書いてあった文。見える海の景色とともに読むと胸にせまるものがある。

遠くの街へ出かけたあと、香川に戻って、瀬戸内海を見たときに、私もよく似た気持ちになるから。

ああー海だなあ、と思って、坂出の港の灯りが見えるといよいよだなあと思って、高松のゆったりした空気で何とも言えない安心を感じる。

海のある街で暮らした人には、この石碑の感覚がわかるのではないかと思う。涙が出そうになる気持ちも。

林芙美子の本はまだ手にしたことがないのだが、少し読んでみたくなった。

そのあと千光寺で旦那さんと合流。

尾道は猫の街でもあるが、猫にはあまり会えなかった。とにかく坂が急勾配で、それはそれで楽しかった。外界に出ると商店街が広がっており、夕暮れとともに不思議な雰囲気を醸し出していた。

 

こうして尾道の旅は終わり、私は熱を出した……。そして今も寝ています……。白い窓を眺める日々。

 

・再婚ドキュメンタリー

熱で寝込んでいるとき、日中はそんなに熱が上がらないのでアベマで『セカンドチャンスウェディング』という恋愛番組を見ていました(シーズン1)。

https://times.abema.tv/feature/program/secondchancewedding

最後まで見て、その後のみなさんの近況どうなったんだろう?と検索したら、もう何も信じられなくなった。

 

・関口君について

京極夏彦『鵼の碑』を買った。

え……出るの?と思っていたが、なんだか本当に出るらしいという空気になってきて、本当に出て感激した。

(以下序盤のねたばれあり)

 

 

 

まだ読んでないんですよ。でも、関口君が他人と普通に話しててすごく感激した。

「ぼ、僕――私は、その、あまり人と喋るのが、いや、快活に話すことが得手ではないのです。(後略)」

京極夏彦鵼の碑』より)

えっ!?そんなこと言えるの!?

いや……でも……関口君って姑獲鳥の頃はけっこう流暢に喋ってたな……オンモラキのときもわりと喋ってたような……いや……でも……いや……だんだんと良くなってきてるのか……いや、でもこんな社交性のある彼は……??

みたいな。

そしてこのあと関口君が笑うんですよ。

えっ!?笑った!?

クララが立つのと同じくらい焦った……。

もっと笑って!?

私、関口君が大好きなんです……。