本のある日記

本のある日記

日記・その時にあてはまる本・ことば・音楽。

終わりが来そうで怖いよ記

16日
病院で検査。ドタキャンしたらだめだろうか……と思うくらい嫌だったけど、予想よりすんなり終わって安心する。結果は10日後。
職場は、たくさん人と話して現実が押し寄せてくる。ああこれが日常だなーって。冷蔵庫の話などした。

17日
髪を切る(早)

18日
考えすぎるの止めたい。
あれで良かったのかなとか、思い違いがあるのかなとか、すぐ不安になってしまう。
すぐ期待してすぐ不安になる。

ところで昨日今日と、懐かしい人たちが連絡をくれた。

〈13時から18時までと/20時から24時までの時間無くなってくれないかな。〉
(ぷろたんのtwitterより)

とてもわかる、ぷろたん早く元気になるといい。

愛と傘

15日
眠れなくて朝の6時に寝る。
赤ずきんの本を返さなくてはいけない夢と、ピアノの練習をする夢を見る。
昼に起きて、ジャックポット(Youtuber)を検索したら1ヶ月前に解散していて夏の終わりを感じた…。

車の中に傘が忘れられている。使わないからなくても大丈夫と言われて少し寂しくなった。
教えてくれてありがとう、と付け加えてくれるあなたはとても優しい。こんなに優しいのに私は何を求めているんだろう?

〈いつもやさしくしてくれてたのに/足りないところを埋めてもらうことばっかり考えて〉

(藤緒あい『誰かのことを好きなだけ(4)』より引用)

まさかの完結!そんな綺麗に終わるなんて、と思っていたけど全巻読み返してみるとまあいい話だったな……って思った。上半期ぼくが読んで面白かった漫画ナンバーワン。

「なんかよくわからないけどずっといつも少しさびしい、みたいな気持ちを持ってる人たちのことを描きました。」
(藤緒あい Twitterより)

でもあなたたちは、もっともっと寂しくなってよ。もっと好きになって苦しくなってよ。
って、読みながら漫画の中のみんなに向かって思ってしまう。そんな私の気持ちは作中後半で菅井さんが代弁してくれました。

〈こんなに全部持ってるのに/何もないみたいに空虚な気持ちになるのも全部気のせい/だって これで満たされないならあと何を手に入れればいいかもうわからない〉

(『誰かのことを好きなだけ(4)』より)


明日は検査。イヤダナー。

エバ・ノート

14日
夏休み終わってゆくのはやすぎる(心の俳句)
大雨が降っていて、サンダルごと水たまりに浸かってしまう。でもそれも思い出。
北浜でツバメビール買って、肉のヒガシハラでお肉買って、おうちで焼肉。
お風呂にゆずの入浴剤が入っている。前もゆず湯に入った。ゆず湯、と考えると冬だし、とても昔のような気持ちがする。
もののけ姫を見る。金曜日なんだなあ。
安堵の気持ち、らしい。

15日
自分は充分色んなことを与えられていて幸せだから、あまり多くを望みすぎてはいけない……と思うんだけど、心の奥には、本音が時限爆弾のようにたたずんでいる。
楽しいところから帰りたくない、不安なことがたくさんある、もっとしたいことたくさんある。

楽しくて帰りたくないから、カエルのロボット作ってよ、という無駄なことばかり話す。Switchでぷよぷよする。
ロボットは自分の意志では動かなくて、プログラム通りにしか動かないって言う。
ほんとうに願っていることを実行するためにはロボットも人間もこちらの考えを察して!というわけにはいかないらしい。

ほんとうは分かっている。
望みを素直に言ったほうが全てすんなり行くこと、心のなかで願っているばかりでは決してかなわないこと、私が思い詰めているよりずっと現実は大丈夫なこと。
でも、心があるばかりに平然を実行できなくなるときがある。心が私の身体に制御をかける。

これからどこまで、自分の力で気持ちをコントロールできるのかな。いつまでも、だっこしてとねだる子どものような自分が嫌だ。

1日のコロナ感染者がとうとう100人を超えてしまった。仕事とかどうなるのだろう。


〈外は大雨/でも/このうちのなかにいれば安心/バスタブで本をよんでいるとね/カエルの声がするの〉
江國香織『すみれの花の砂糖づけ』収録「スイート ホーム」より)

〈私はどうしてここをでていこうとしているんだろう/私はここが好きよ〉
(同上より)

この次の最後の一文をここに載せる勇気が今は無いよ。髪でもバッサリ切ろうかなあ。

夢の魔法は3秒

11日
フレンチトーストのチョコがけ食べた。
朝に活動すると健やかな感じがしていいね。
昨日恐れていた今日だけど、大丈夫だった。

コロナがだいぶ増えていて怖い。
宮脇さんに伝説の杖(山のピッケル)を返しに行く。山はコロナで中止になってしまった。

実家からNintendo64を回収する。久しぶりに歯医者へ行く。先生優しい。

夢を3つ見たよと言っていた。
私は、ひとつだけ見た。
昨日を心配する自分に、未来の自分が声をかける夢。言葉ではなく短歌だったのだが、その歌はもう思い出せない。


服部あさ美『ハーブカタログ』

こういうの好きなんだよね。

つまり明日がこわいのだ

6日
仕事をしていても、もうみんな、気分は夏休みという感じ。1時間早く職場を出て、サンリンシャで少し話をした。気持ちが楽になる。私はこの半年くらいで少し、変わってしまったのだと思う。日常に夢を求めなくなってしまった。例えば芸術の沼に永遠に浸かっていたい、とかの。
コノジに行く。からあげがとてもおいしい。

7日
練習。暑い。リマコーヒーでバタどら買う。おいしい。

8日
昼は大学で講義を受けた。講師はなんか、変わった先生だった。
夜は東京オリンピック閉会式を見ながら号泣。どんなに幸せでも底がないみたいに、不安が止まらない。

9日
朝は練習。その後、海へ行き花火をする。
台風一過で風がまだ強くて、花火がブーストしてた。楽しかった。
いつも最後に寂しくなってしまう。

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10日
朝、練習。これでつかの間のお盆休み。
昼にがん検診の結果を聞きにいく。また再検査することになってしまった。意外と人生ハードモードだと思う。
なんとなく部屋の片付け。
明日が怖い、しあわせになりたい!

〈それに…/……自粛ムードとかもう/……〉
(『花井沢町公民館便り(1)』より引用)

ヤマシタトモコ『花井沢町公民館便り(3)』

この前、1巻を再読したら続きが読みたくなってしまって。最後が絶望的だとネットのレビューでは言われていたけど、実際に読んでみるとそうでもない。(かもしれない)
けれど一緒に生活し始めることで関係が壊れていく、というのがすごく心が痛んで読むのがつらかった。

テクノロジーの事故により町に『境界』が張られ、永遠に町の『外』に出られなくなった人たち。その事故が起きる『前』と『後』で、もう取り返しがつかなくなってしまった世界。

最初にこの本を読んだときは、暗い話だなとしか感じていなかった。
それが、去年のコロナ自粛期間に読み直したとき、初めて物語が実体をともなって目の前に広がった感覚がしたんだ。
なんだかこれ、いま世界なんじゃないのって。