本のある日記

本のある日記

日記・その時にあてはまる本・ことば・音楽。

それはペンギンしか知らない

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出勤したら置いてあった本。
なんやねん。

秋は、いつも思うことなのだけど、疲れている人が増える。秋が去って冬が始まるくらいのころからだんだんとみんな病み始めていく気がする。職業柄、そういう時期なのかもしれないけど。
「優しくされたら泣いちゃうよー」と年下の女の子の目から涙が落ちつづけた。彼女は、私がつついたから泣いてしまっただけで、自分からは弱音を吐かずにいつも笑っていた。強いと思うけどその強さがつらい。
彼女だけじゃなくて、ぎりぎりの人をたくさん見かける。

少し前につくった短歌を読み返した。当時はあんまり余裕がなかったけど、いま読むと普通かもしれない〜と思っていたら全然暗かった。暗いというより苦しそう。

私の部屋にはペンギンのぬいぐるみがある。
ペンギンしか見ていない私の憂鬱とか、喜びとか、日常はあるんだけど、でもやっぱりペンギンしかそのことを知らない。
ほかの部屋でもそこにいる何かしか知らない誰かの感情があるんだろうな。



「問十二 夜空の青を微分せよ 街の明りは無視してもよい」
(川北天華さんの短歌)

ペーパーテストもある種の作品であるという話を聞いて、なんとなくこの歌を思い出した。今日は三日月がでていた。