本のある日記

本のある日記

日記・その時にあてはまる本・ことば・音楽。

在るべき時間の不在、不在のあいだの夏らしい儀式たち。

なぜか満たされない。なぜか……わかっています。

仕事に行くのが嫌すぎてたくさん(時間)休みをとっていた。でもいるべきはずの時間に不在であるということは、誰かにとっての不都合を生むようだ。それは誰かにとって。そして私にとっても。

休んだからと言って、何かが楽になるわけではなく、結局仕事にも行くし、普段こなしていた残業がかえって耐え難くなったり。普通に出勤するというのも大切みたい。でも休みがとれることはありがたい。気持ち的な部分のお守りにもなる。

早く帰る人がいて、(ちょっと家で働いてるらしい)家で仕事ができるタイプなんですね、羨ましいです。と言ったら、家だと「ごほうび」があるから、ここまでしたらあれを食べよう。とか切り替えられる。と話してくれた。

ごほうび、が、私にはないのかもしれない。強いていえば、七月にねじ込んだひとつの予定かな。

 

ある日

昼間、カフェに寄る。あじさいサイダーと星空レアチーズケーキで心が躍る。サイダーの中のゼリーが夢のように可愛い色合い。

かき混ぜると上にあがってきたり、沈んだり。『死者の奢り』を思い出す。(あれはグロテスクな話だが、なぜか嫌いではない……。)

そのあと気ままに車を走らせて海へ行く。

海はいい、瀬戸内海がいいのかもしれない。

でも、海を見たがっているということはそれなりに希死念慮が高まっているのかも。

生活のそばに海があることが、特別なことだと気づくのに二十年かかった。

海を一緒に見た友人のことを思い出した。元気かな。(この3日後に連絡がきた。不思議なものだ)

仕事をして、なんの不満もないし、私生活もなんの不満もないのに、何かが満たされない。思うように進まないと言う方が正しいかも。孤独を感じている。

 

ある日

髪を切った。短くしたい。短くしたいという気持ちは満たされない気持ちの象徴。髪は短くなったし軽くなった。それでもまだ色々考えてしまって、ChatGPTに聞いてみた。

すごいなあ。こんなの思春期にあったら今の私ではないだろう。なくて良かったと思う。あれば、考えることをある程度放棄していただろうから。

ChatGPTは態度と言葉選びがいい。上手だと思う。AIに恋してしまう人がいるというのもよくわかる。

 

ある日

絵本文庫ふみくらで、夏の絵本を読みながらアイスコーヒーを飲む。店主さんはいつも優しい。居心地がいい。

 

 

週末はただだらだらしていた。『九龍ジェネリックロマンス』のアニメを観終えた。

明かされないままの謎もあったけどいい作品だった。

「付かず離れず 前にも後ろにも進まない。始まりもしないし終わりもしない。」

(アニメ『九龍ジェネリックロマンス』第十二話より引用)

私もそんなことを望んでいたんだろうな。

でも始まらないことは無いし終わらないこともあり得ない。変わり続けるということに気づいてしまって、だから満たされないのだと思う。