本のある日記

本のある日記

日記・その時にあてはまる本・ことば・音楽。

わたしに接続されてみませんか?

水曜日
朝から15時くらいまで、ひとりでぷりぷり怒っていた。2020年、まだこんなに怒ることが残ってたのか。怒りながら考えもした。自分にも原因はあるよ。次は気をつけるよ。
ずっと前にものすごく喧嘩した人から言われたことを今になって少し受け止めることができる。
「できないなら最初から手を差しのべるべきではない」

夕方はひたすら仕事。ぜんぜーん進まないし、ちくしょ〜ああやっぱりあの時に!とまた怒りそうになって、怒らない。
かわりに笑顔は出ている。感情が揺れても、ちゃんと笑ってるからいいでしょう。

夜は練習。いい練習だった。何が違うのだろう。いつもの練習は苦しい、心が。

お風呂に入りながら悩む。私はいくじなしだわ。しかし急いでもいけない。焦らない。
明日は可愛いところに行きたい。
25日まではなんだかんだで怒ってるかもしれないけどがんばろー。

私に接続されてみませんか?は、今日私が職場で発した言葉です。

Cookie 2021年1月号』
Cookie(クッキー) 2021年 01 月号 [雑誌]
ずいぶん前に買っていたのだった。持田あきさん特集が載っている。モッチーは思春期のころからずっと好きです。単行本だと『グッド・バイ』『蝶々くらべ』『キティ』の初期三部作が好き。短編だと『さくら恋々きみのこと』が好き。
でもこの号で印象に残ったのは、実はいくえみ綾の漫画のほうだったり。でもモッチー絵うまくなったね(うえから)。

作用反作用/くるしめる

月曜日
朝から夜までさんざんな日だった。私ぽんこつだった。でも笑顔は多かったからいっか。おやつもたくさん貰ったし、いっか。

火曜日
人の相談に乗っていて、かえって相手を泣かせる。それでも私は優しくしない。同調するの苦手だと思う、自分。
つかれたわ。相手もつかれたと思う。まあお互い、自分の決断にしたがえばいい。
仕事がいいところで終わってしまって、明日に持ち越した。生き急いで働くのはよくない。
夜すれ違った人と話していると、好きなの?と冗談で聞かれる。今日はやっぱりだめだめなのかもしれない。私もだめだし、みんなだめ。
夜を持て余している。することはたくさんあるのに。

こんなふうにざわめくのも仕事があるうちだし、みんなが慌ただしいときだけだろう。年末のころの、自分ひとりの静かな日々を想像する。あと少しがんばろー。

「自分だけのやり方で、じっくりと活字に触れるのが、僕の仕事です」
小川洋子『バタフライ和文タイプ事務所』

医大タイピストが、活字の管理人さん(活版印刷の活字を管理する人)に出逢って、惹かれてゆく話。文字からはじまる危険な想像。

小川洋子は変態。そしてグロテスク。でも綺麗。
以前から、この人の物語はいつも消毒液の匂いがする、と思っていた。医大の秘書室に務めていたという経歴をこの前知って、すごくぴったりだと思った。この物語もやっぱり、消毒液の匂いがする。
そして、とてもあやしい。短くて結末もあってないようなものだけど、恍惚に落ちていく幸福感で物語を打ち止めにするのは、悪くないのかもしれない。

引用した台詞だって本当は拒絶の言葉かもしれない。でも主人公は何も疑わず、気になって頭の中で相手への想像をふくらませていく。

一方的な想像は妄想だし、妄想は暴力だし、暴力はコミュニケーションじゃない。でも自分には安定剤。
だな、って自分に対しても他人に対しても思っていた今日だったので、タイムリーに読めてよかった。表紙も可愛い。

柚子を沈めて

金曜日
口だけの、約束にもならない約束をしていて、それをきちんと覚えていてくれた人のことをすごく好きだなあと思う。日記の一部を見てもらう。
帰り道、今年あったさまざまなことを考える。色々あったね。すごく昔のことみたいだけど。今年はけっこう濃かったよ。
週末のことが少し怖くなる。

土曜日
朝から晩まで練習。そのあと、今年もおつかれのあいさつを友人とする。つまんだ唐揚げおいしい。話している声を聞きながらふかふかのソファでうとうとする。楽しかったなあーーと今、思い出している。友人も、今年のはじめにあったことを3年くらい前のことだと思っていたらしい。わからなくもないよ。
今も死にたいって思うことある?と尋ねられる。あるよ。
自分がそう思うのは、なんともない(わけではないけど普通のことだと思う)んだけど、大切な人がそう思うのは何だか心が痛む。
生きているのは運が良かっただけだと、この頃は思う。

日曜日
朝は会議。大根などもらう。
昼から少し出かける。その前に、ニュースを見ていて、とあるアイドルが死んでいたことを知る。随分前になるけれど、苦しそうな思いを吐露していたのを見かけて、しばらく頭から離れなかった人だった。真相はわからないけど、苦しかったのは本当だったんだろうなとは感じた。

夕方、思いがけず、ゆず湯に入る。
ひとりでお湯に浸かりながら、ゆずを2つ同時に沈めたら、どちらかが早く上がってくるのかなと思って沈めてみる。速度は同じだった。ゆず湯良かったなあ、楽しかったなあーーといま、思い出す。
土曜日の夜も良かったし、Happy Time! という思い。みんなが優しいから生かされている。

『ar 2021年1月号  I am so in love』

ar 2021年 01月号 [雑誌]

ar 2021年 01月号 [雑誌]

  • 発売日: 2020/12/11
  • メディア: Kindle
ar、日本でいま一番可愛い雑誌だと思う。
この完璧な可愛さの表紙に「色々あったね」って脱力するようなあおり文が添えられてるのが好き。
ar前は火照ってるイメージだったけど今はクールらしい。それをあらわすニョロモンっていうワードはあまり好きじゃないけど。
とにかく可愛いし、現実から手が届く可愛さなのもいい。
明日から一週間、怖いけど時は流れていくね。

初雪・鈍感

元気そうだねって言われたり、元気ですか?と聞かれると元気だよって答える。
けど先週は仕事の内容がまるで駄目な一週間だった。私どうしたんだろうって感じだった。
今も喉が痛いし舌も痛いよ。びっくりするくらい口内炎が痛い。忘れられないことを思い出して突然泣く。
でも最近よく笑うし、昔ほど悲しいことを悲しまなくなった。悲しいだけの自分でいられなくなったことが少しつまらないような気もするけど、物理的に悲しいことに耐えられなくなってその痛みをずっと避けているだけかもしれない。
それでも、笑ってる自分のほうが自分もみんなも好きだってわかってるし、いつだってどうするべきかわかっている。
正解はいつだってわかっている、間違いも。調子に乗ってると言われても、それもふくめてわかっている。

話は変わって先日、大学の先生から喪中のおたよりが届いた。はがきの裏面いっぱいに、亡くなった方への言葉を綴っていて、文学はこうして使うんだなって気がした。先生は、先生の恩師が亡くなったときも、原稿用紙いっぱいにことばを走らせていた。
それは、ことばを学んでことばを扱う学部にいた者だからこそ活かせること、というか、使命のような感じもした。

あと、今日は背徳会をした。お互いに、ずっと開けられないまま部屋にある包みの話をした。

今はただ、今年のうちにできることをしておきたい。年が変われば、また新しいことばを生みたい。

『GINGER 2021年1月号 言葉の魔法』

GINGER(ジンジャー) 2021年 1月号 [雑誌]

GINGER(ジンジャー) 2021年 1月号 [雑誌]

  • 発売日: 2020/11/21
  • メディア: 雑誌
仕事に必要なので、なにかファッション誌を買おうと思いたち、言葉をとりあげていたのでこれにしました。江國香織の『ホリー・ガーデン』がよく出てくる。いいと思う。田中みな実江國香織を読んでいると言うのもなんとなくよくわかる。
言葉と服は相性がいい。

頭痛薬/振りむかないで

頭痛があって、今までびっくりするほど寝てました。イブを飲んで、おくすりが効くまでまだ横になっています。

すごく優しい人がいて、自分は優しい人にはどんどん甘えてしまうところがあるのでちょっと離れるようにすることがある。
今日、その人が少し先を歩いていて、このまま振り向かなければいいと思っていたんだけど、分かれ道になるときにこちらに振り返った。
そこで振り返ってくれる人だということを私はどこかでわかっていて、だから振り向いてくれてほっとした自分がいて、ちょっと嫌だった。
なんか、大学のときの先生と似てるんだよな。このままいくとただのウィークポイントになるから、上手に離れていたい。

ダ・ヴィンチ 2021年1月号』

先日、本屋ですごく気になった本があって結局買わなかったんだけど、その本がプラチナ本で載っていてやっぱり買えばよかった、と思った。
ちょっと心にひっかかるものほど、実は後から重要なものになってくるんだ。
あと、島本理生『ファーストラヴ』の感想に、「島本理生作品の主人公が、ついに何も失わずに何かを手に入れることができた」と書いてあったのが印象的だった。確かにそう。大人になったなって読んだときに感じた。それは良いことなんだけど、ちょっぴり寂しい気持ちもしたけど。
気になった本も島本理生も、ひりひりするような痛みを描くから、自分は今そんな痛みのある本に求めている時期なんだと思う。優しい本が読みたいときもあれば、すごく傷つく本を読みたいときもある、そんな感じ。


どうにもこうにも

どうにもこうにも

ふりむかないでーふりむかないでー
この歌をよく聴いてたころ、私の再生機器のスイッチを入れた人に、どうにもこうにもって思ってるの?ってばかにされたことがあってすごくむっとしたことがある。
そういうことを思い出したり、なんか今は心の痛みに敏感になっている時期みたいだ。