本のある日記

本のある日記

日記・その時にあてはまる本・ことば・音楽。

遠足に行こう!

24日
朝は練習、帰ってだらだら。
ある冊子を貰いにYOMSへ行く。本も何冊か買う。
瓦町商店街で迷子になる。ロッポニカ前にいて、南下したかったのに気づけば吉野家にいた。街は日常が戻っていて、居酒屋も普通に賑わっている。そういう街並みが久しぶりな気がして、ふわふわした不思議な散歩だった。

自分の書いた文章を読む。読み返すまではいつもドキドキするけど、私が唯一、自分のことを肯定できるのがもの書きなのかも。

〈でもこの身勝手な安心が長く続かないことも知ってる〉
渡辺ペコ『おふろどうぞ』収録「連れ込み風呂(前編)」より)

渡辺ペコ『おふろどうぞ』

かわいい絵柄と裏腹に、けっこう大変な話が多かった。連れ込み風呂の娘カップル幸せになってほしい。


25日
飯野山に登る。おにぎりと玉子焼きとウインナーと味噌汁を入れて持っていく。2ヶ月ぶりの登山。
飯野山けっこうきつかった。下りも大変。
しかし、香川の登山で(現時点)一番つらかったのはこんぴらさん

坂出にある温泉、さらいの湯へ行く。温泉は10ヶ月ぶりくらい。癒やされる。
帰りにベンガル亭でカレーを食べた。辛いけど優しい味がする。


また会えるし、会ったとき楽しいし、関係が変わらないの知ってるから、離れるときもさみしくない。

と言っていた人がいて、他人との関係が変わってしまうのではないかといつも不安に思う私からすれば目からうろこ〜という感じだった。
でも大学の先生にも昔同じこと言われた。
ある人間関係の中で、お互いへの信頼とか安心が築き上げられて、そこを信じているから不安にはならない。(また会えると自然に思えるから不安にはならない)みたいなこと。

そう言ってくれる存在がいるのは、とても嬉しかった。


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「こういうのでいいんだよ弁当」
めちゃくちゃ適当。でもこういうのでいいの。

月/おいてかないで

21日
映像作品をつくってみる、イメージと実際やるのは全然違う。難しいね。
仕事がとても忙しくて余裕がない。
中秋の名月らしく、月がめちゃくちゃ綺麗。思わず人に教えたいけど教えなかった。

22日
余裕がない2。駆け抜けるように過ごす中でときどき虚無感が降る。本当に大丈夫かな?と思う、色々。
夜、ふいに金木犀が香っている。本当に秋がやってくる。
実は数日前に詩を作った。去年の秋も詩集(4頁だけ)を作ったから、今年も一冊作ろう。毎年秋だけの詩集が増えていくかと思うと楽しみ。

昨日の月綺麗だったねと、ある人が言ってくれる。きれいだった、そう話したかった。というようなことを返すと、今日話せてよかったねと言ってくれた。

23日
朝は練習。練習するの疲れてきたし意味が見いだせなくなってきた。惰性。
午後はイオンに行く。人が怖い。
ラーメン食べる。一緒に食べる人がいるの幸せだねと話した。
月が赤い。

〈「おやすみ、そこの男の子」/僕は夜の挨拶を返した。/「おやすみ、月の女の子」〉
(有栖川有栖『月光ゲーム』より)


有栖川有栖『月光ゲーム』

クンダバファーとかむちゃくちゃ懐かしいわ。すっかり忘れてたわ。
大学ミステリと電波系って相性いいよね。
月にとらわれた一冊、ここにすべてが詰まっている感もある。有栖川有栖は夜の作家、月の作家。

学生のころ、チャネリングして徹夜して朝の広場で先輩たちとスクエアとかしたな。

Into The Night

Into The Night

  • YOASOBI
  • J-Pop
  • ¥407

最近また聴きたくなって聴いている。英語版も耳が慣れてきたのか、好き。

わたあメンタル/最後の一週間

15日
仕事でちょっと色々あって怒られる。いや、怒られてはないのだけど……良かれと思っていたのに良くなかったのかな、と思うことがある。
夕方、上司から、きつい言い方してごめんね、と言われて
(その人もまったく悪くないのだが)
突然号泣してしまう。

16日
朝は一時間休みをもらう。
が、朝からまた色々あって、仕方ないと思いながらもどうしても気持ちの整理がつけられない。
その結果、一日のうち3回くらい職場で号泣してしまう。
こんなことが前の職場でも一度あって、また同じようになってしまった、と深く沈んだ。
先輩が話を聞いてくれて(言い逃れできないほど泣いているのを見られてしまった)
「嫌いなやつの顔を殴り続けて生きていくんだ」みたいな訓告をもらう。もちろん本当に殴るわけではないけど。
誰も悪くないけど、今回はうまく行かなかった。夜は習い事があって、そこからだんだん元気になった。

17日
もう100メートル走れるくらい元気です、と昨日心配をかけた人たちに謝る。
なんだかこの一週間とても長かった。

夜、電話をかけていたのだけど
沈黙があって、今かけてはいけなかったのかなと思い始めたところから次第に空気が悪くなる。
「私の行動はきみを追い詰めているよね」と、一番言ってはいけないことも言ってしまう。
「気持ちはわかるけど今は疲れている」と返される。その正直さにかえって安心して、今日はお互い疲れているから寝ようと電話を切った。
切ってからまた泣いた。涙の終わりが見えないよ。

18日
朝は練習。昼に帰るはずだったのだが引き止められたりしているうちに、思っていたように予定が動かせなくなる。
「今日の私変かな?」と聞くと、変だねと言われる。
「いつもより余裕がないように見える」とその人は言っていた。

心の中に不安があって、何に不安を感じているかはピンポイントでわかっているのだが、
核心を突いた話や質問をするのが怖い。
聞いてしまうと答えが返ってくる。曖昧にしていた部分がはっきりしてしまうのが怖い。
でももう全部聞いてしまおうと思ってすべてを話す。

それが正解かどうかはわからないけど、気持ちは楽になった。

月見がしたいのと、花火がまだ残っているので花火をできる場所を探すけど、夜に立ち入れる海岸がなかなか見つからない。走って終わった。夜の公園から海を見た。

誰かといるときに最後、離れるのが嫌でいつもだらだらしてしまうんだけど
「自分で約束したことは守ったほうが自分のためにもいいと思う」と言われて、そうだなと思って一日を終わらせる。そう言ってくれる人で嬉しい。

19日
朝は習い事。疲れる。みんな結婚したり子どもができたり、おめでたいニュースを聞く。
人は人、自分は自分。

午後から花火リベンジ。夜の海に行く。
去年の自分に、今の自分の近況を話せばきっと喜ぶと思う。そんな話をする。

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今のままでいられるのは、これからの一週間が最後になる。
この一週間が終われば新しい局面がやってきて、そこを超えたらまた、変わることがあるのだと思う。
どんな風に来週の今を迎えるのか今はまだわからないけど……

20日
今日って本当に休みなのかな?
はらはらしながら過ごす。写真の整理などする。
本棚にあった『砂時計』をなんとなく読み返した。

〈なんで/大切なモノは一つじゃないんだろう〉
(『砂時計』「ー15歳秋・誰そ彼ー」より)

芦原妃名子『砂時計(2)』

このままでいいと思っているのに変化が訪れる場面で、なんで大切なものはひとつじゃないんだろう?(居たい場所を、ひとつのところだけを選べないんだろう)と涙する杏ちゃんをみてしみじみとしたのだった。

なんでこのままでいられないんだろうね。

この頃は悲劇もの(の、上に成り立つ純愛もの)が流行っていて、この物語のなかでも様々な試練が襲いかかるんだけど、
今になって読み返したらただ周りに振り回されるだけの話ではなくて、
杏ちゃんの心の中の戦いが一貫して描かれていたんだなって思いました(感想文)。

感情がコントロールできなくて大切なものを壊してしまったり、自分の中のトラウマに苛まれたり、そういう自分の負の面と向き合っていく物語なんだなーと思った。妥協できたときに、大切なものがこちらを見ていてくれたことに気づける、みたいな。

あと、何回読んでも椎香は可哀想だと思うんだよね……。

お題「我が家の本棚」

対人恐怖

外出先で他人の視線が怖くて(知り合いがいて知られたくない姿を見られたらとか、何かが変で笑われたらとか)顔を隠して歩いている。
通路にたくさんの人がいると怖くて、いつも息を止めて走って去っていく。
ひとりでいるときもそうだし、特に誰かといるときに。

他人が自分に対して興味を失ったり冷たくしてくるとパニックになる。
けれど、いつも褒められたくて構われたくて誰かのいるところに出かけていく。
そして欲求が満たされなかったら、自分のことを置いていかないでって泣きながら相手を責める。
そして向けてくれる相手の優しさが本当の気持ちだとはとても信じられなくて、気を使わないでほしいと突き放す。

これが本当の私なんだと思う。
生きていくうえで、やりづらくなってきた。
素直に気持ちを出せばいいのにできない。
だめだと分かっているのに大切な人に迷惑をかけて傷つけることをしている。

めんどくさいって言われる。言わないあなたはおそらくだいぶ我慢してくれている。

カウンセリング受けたほうがいいですか?と、職場に来てくれるカウンセラーの方に尋ねると、
「カウンセリングで解決することではないかなあ」
と答えられた。

記憶の中に、あれが契機かなと思うことがひとつあるけど、でもそのずっと前から自分に自信はなかった。


11日
王将を食べた。
大切な人の前で大泣きする。だめだめと思うけど、泣くのを止められなくて、救急車呼んでほしいとさえ思う。
何もひどいことはされていないし、とても優しくしてくれるのに、何が足りないのかわからない。

「他人と一緒にいるの苦しい」と言ってしまう。

「苦しいの悲しい」と相手は返してくれたけど、とてもひどいことを言ってしまった、と思う。
でもこれが本当の私だし、病院に行かないといけないのは世の中の他の誰かじゃなくて私の方だよ、とも思った。


12日
一時間くらい歩く。コスモスがきれいで立ち止まる。足が真っ赤になっている。
とても落ち込む。
もうだめかもしれない。また、昔みたいにどん底になってしまうのかもしれない。
迷惑をかけた人にごめんなさいというと、理由を聞かせてほしいと言われる。
「理由を聞かないと味方にもなれないから」と言われる。

何を思っても、最後に不安だと思ってしまう。
安心がほしい。
安心を得るために、ただずっとかまっていてほしい。

私の本音はこうなんだけど、それを告げるのが怖い。離れていかないでほしい。


13日
家に帰ると何をしていいのか分からなくなる。

14日
冒頭のことを、職場に来てくれるカウンセラーの先生に話す。
前も同じようなことで相談した。

涙が出るのは不安があるから。
他のことで気を紛らわせられないのは、やはり対人に強い思いがあるから。
そして今の状態は、自分にとっての安心がない。だから不安になる。
不安が発生するのは、対人関係で何らかの「傷つき」を受けた体験があるのでは?
身近な人を傷つける(困らせる)のは、身近な存在から傷つけられた体験があるから。身近な存在からされたことを、無意識のうちに別の身近な人に行ってしまう場合がある。

必ずではないが、そうした理由もあるのでは、という話になる。


傷つけてはいけないと思いながら、知らずのうちに傷つけようとしている。な、と最近思うことが何回かあった。


解決は難しいが、他人に傷つけられれば自分も他人を傷つけてしまうように、
逆に、優しくされたことを身近な人に返すこともある。
そういうふうに話は終わった。

まだ本当のことをすべて言えないし、明日は憂鬱な案件がひとつある。
普通に怖いけど、でも大切な人を手放すことはできないんだよ。


〈つまり、ただひとりの人にしか何も話したくないということ。〉
(『サガンの言葉』より)

山口路子『サガンの言葉』


『冷たい水の中の小さな太陽』に載っている言葉らしい。

したから作戦

8日
雨が降っていたのだけど、気圧のせいか帰宅後に頭痛と吐き気で動けなくなる。

9日
バームロールの袋を買う。7本のうち4本人にあげた。私も人からのバームロールほしい。
夜は久しぶりの夜練。体力落ちてる。

10日
仲の良い先輩と久しぶりに話して近況報告する。下から作戦の話をされた。
あと、習い事の話を職場でしたら、ちょっとやってみたいという人がいたので休憩時間にちょこっとだけレクチャーする。新鮮だったし嬉しかった。

別の人と、帰りがけに会ったときにおしゃべりする。
夏は終わりよ〜みたいな話をしていたら「おすすめの季節は二回あります。夏と、冬!」って言われる。
なんか、自分の中では終わったと思っていたことが、まだ終わってなかったのかも……というような気持ちになった。わかる?

夜は靴下を買いに行く。

〈家は、人が住むのを止めるつもりでいることを敏感に察知するものだと知ったのはその時だと思う。(略)……床は「裏切った」人間がその上を歩くのを嫌がっているように冷たくなるのだった。人の住まない家は荒れるとよく言われるが、家は荒れる前にその体温を下げるのである。〉

鷺沢萠『町へ出よ、キスをしよう』収録「最後の引っ越し」より引用)

鷺沢萠好きなんだけど、彼女の死因が自死でなければこんなに惹かれていないかもしれない。けれどさらりとした端正な文章はやはり好き。
これって真木柱みたいだよね、こういうの好きなんだよね。語らぬものに心を見ること。