本のある日記

本のある日記

日記・その時にあてはまる本・ことば・音楽。

春のものひとつ食べたら

25日

有休を取り、歯医者へ。久しぶりに会う歯科助手の方に「えっ、結婚したの!」と驚かれる。

そこから「天国喫茶ぱらいそ」へ。客人たちの勢いにのまれる。苺か桜を食べたかった。なにか春らしいことをしたかったの。

苺とレモンタルトをたのむ。青春の甘酸っぱさらしい。

レモンの部分、宝石みたいだった。キラキラした味わいでした。春のものひとつ食べたらひとつ春が終わっていく。儀式のように。

道中、猫に会う。

少しだけ出勤する。仕事場についたとたん電話がかかってくる。

10くらい言いたいことがあってもひとことも口から出てこない、そんな時間だった。どうしてなんだろう?

写真を現像して帰る。帰宅後、写真の整理をしながらご飯を作って夫を待つ。

 

26日

この日も午前中は歯医者へ。午後はなんだかんだ仕事がはかどる。離れる人に本や写真をあげた。

職場の方のお子さんを見て、甥っ子に会いたくなった。「お世話になってる人」と紹介してくれたけど、こちらこそだよ。

先輩が仕事場に来てくれて、そこにまた別の先輩が来てくれて、森で出会った動物たちのようだと楽しかった。

夜は先輩のお家にお邪魔して女子会。

この人が好きと言ってくれたら結婚できるな、と思っていたけどそんなことにもならなくて、でも相手からすればだって誰も何も言わなかったじゃないか。みたいな話を先輩がしてくれて、なんか心に残った。タイミングとか、行動って大事だね。

 

27日

以前一緒に勤めていた人と会う。予想より長い時間を過ごしていろいろ話した。必要な時間だったと思っている。

 

年度末だからか、ここ数日、この一ヶ月、色々な人と会って話をした。

人と話しすぎて、少し疲れた。

自分の思っているのとだいたい同じことを相手も思っているだろうとたかをくくっていると全然そんなことはなくて、思っているより行動や言葉に意味はなくて、発せられた何かを信じすぎるのも、発せられない感情を推し量りすぎるのも、どちらも危ない。んだなって思った。そして勝手に期待していて、勝手に裏切られたような気分になる。知りたいけど他人の何を知っても結局自分の幸せにはならない。じゃあどうすればいい、何を求めている?って言われてもわからない。

まず相手に自分の感情を伝えてからでなければ感情は返ってこないと、麒麟の川島がラジオで話していた。

そんなことをもんもん、考えたりして、人と会いすぎて疲れた。楽しいけど突然ひとりにしてほしい。社会に向いていない。

 

わかる? と尋ねると、わかるよ。と返ってきた。ひとりになりたいけど、家にいつも夫がいてくれるということは、自分にとって救いだと思う。

 

ILLIT『Magnetic』

Magnetic

Magnetic

  • provided courtesy of iTunes

NewJeansみたい……と思って聴きはじめてやめられなくなる。メランコリックなくもり空って感じ。

私、m-floの『prism』が好きで、やはりあれってめちゃ名曲だよな、とここ最近のイージーリスニングブームを聴きながら想うのだった。

prism

prism

 

水中、夢の中。そこから顔を出すときにまだ存在していますか。

23日

朝、練習。

昼は丸亀にある「ヨーロピアン珈琲 長崎屋」で焼きカレーを食べる。食後の飲み物と一緒に、小川洋子『余白の愛』を読む。家を出るときになんとなく書棚からひっぱり出した本だが、なんとなく今の気分に合った内容でしずかに浸った。店内では『月の光』が流れていた。

耳を病んでいる女性が、患者同士の会に出て知り合った速記者の指に惹かれて……という物語。

遠のいたり激しくなったりすることはありません。ずっと同じ姿を保っています。いったいどこまで続いてゆくのでしょうか。わたしはそれが消えないことを心配しているのではなく、消えたあともう二度と自分の耳へは帰ってこないのではないかと、そのことを恐れているのです。

小川洋子『余白の愛』より引用)

手に入れたいものが近くなるほど、それを失うことがこわくなる。痛いほど分かるし、それでも選択を迫って、終わりに向かっていくのが小川洋子だなって思う。欠損とラベリング、収集、片想い。『薬指の標本』にも少し似ていた。好き。

髪を切る場面も良かった。そう思うし、そうなるよね。髪を切るってすごく慎重な儀式になり得る。

 

宇多津の温泉に入って帰宅する。一日雨が降り続いていて、車中で本を開くと水中にいるようだった。

 

夜、前回観れていなかった『光る君へ』観る。「妾になれということ?」………。

 

24日

夢を見る。私の深層心理があらわれているんだなーーーと少し落ち込んだ。思い知らされたというほうがいいかな。あんなに鮮やかに夢を見て、それが現実には影を伸ばさず夢の中だけで完結することがすごい。ある意味、心の防衛が夢なのかもしれない。

朝マック、その後、ルヌガンガへ行き、人に贈る本を買う。本を選ぶ時に私はけっこう真剣な目をしているのかもしれない。

本屋には毎回、本が好きな人が来ていて、私はその空気が苦手だ。本が好きだと思っている人。私自身も、もちろんそうなのだが……。

 

本って贈られても困るかな? と思うけど、贈られることってあんまりないし、読まないなら売ってくれれば良いやと贈る。

こまごました買い物を済ませて帰宅。まだ14時。あとはのんびり家で過ごす。

『光る君へ』最新話観る。二番目はやっぱり病むか……。

 

 

 

I'm curious

少しずつ新年度に向けて動き出す日々。そわそわするし、ふわふわしている。

 

21日

次年度のテーマは「孤高」……となんとなく思った。少しやさぐれているのかも。そして、不安なのだろう。

 

22日

いつもより早く出勤し、朝から色々済ませる。お昼は同じ部署の人たちとランチへ。自然と女子テーブル、男子テーブルに分かれた。不思議だね。

帰りにミニストップでハロハロを買って帰る。ミニストップでデザートを頼むと少し待ち時間があって順番に渡してくれるのだけど、その、店の外であーだこーだ話してアイスを食べたりしながら仲間を待つ時間がなんとなく学生時代みたいだなって思う。あー、そのパフェおいしそう!なんかギャップあるな〜みたいな。楽しかった。

もうアイスを食べて心地良い季節になったんだな、と春を感じた。

 

名残のように、先日の飲み会のときについたあだ名で呼ばれている。めまぐるしい日々の中でそこだけ一瞬過去になる、というか、ふと位置を戻される感覚になる。いつかそう呼ばれなくなる日も来るかもしれないけど、その変化を寂しく思わない自分でいたい。

 

疲れたので、夜は夫を誘って「まほろば」でご飯。お汁がおいしい。あることを夫に相談していて、理系らしく答えてみて。とお願いすると、「試行回数が足りないから、もう少し回数を重ねて判断してみたら」と答えられた。車中でTWICEの『The Feels』が流れていた。

「このキュリアスってどういう意味?」

「気になって仕方がない」

帰宅後、金曜ロードショーで『魔女の宅急便』を観る。なんか、歳を重ねたからなのか、キキに対する人の優しさがすごく心にしみた。困ったときに助けてくれたり、存在を認めてくれたりする姿が。

 

 

新年度からの日々が怖いけど、でも少し前向きになれたというか、過ごしていけそうな気はしてきた。さまざまなことが変わっていった先で、楽しいこともたくさんあるといいな。

 

寝る前にこんな会話をした。

「愛情って何?」

「愛情表現」

「ふーん……」

感情そのものを示す場合もあるけど、表現のほうをあらわす言葉なのかもしれない。私の考えだけど。わかりますか、感情ではなくて行為だということ。心より体が先に動くようなこと。

 

定例会(になればいいのに)

19日

職場の同僚と飲み会へ行く。そこに至るまでの仕事忙しかった……。

久しぶりにお酒を飲んでみんなでいろんなことを話した。

「人を知るって楽しい」とその場に居た人が言っていた。

他者のこと、わからないままのほうが面白いこともあるのは確かだけど、わかることも必要なんだと思う。わかってしまったな……って思うけど、また違ったものが見えてくるかな。色々考えすぎじゃない?みたいなことを言われた。あと、AB型とも。(よく言われる)

同じ言動でも、それをされる(する)対象によって感じ方が違うよね、という話とか、した。

 

20日

朝、練習。

昼、仏生山温泉。お昼の陽射しのなかでお風呂に入るのもなかなか素敵だった。

お腹が痛くなって、今寝込んでいる。

 

ヤマシタトモコ『サタニック・スイート』

 

先日読み返していた。「MUD」が大好きなんです。やっぱりこの、どうしてか届かない熱烈な期待が好き。またこんな本読みたいな。

人生の美しいとき

ヤンフーさんのインスタを見ていて、伊澤一葉善通寺でライブすることを知る。すぐ応募してみる。わっち香川に来るのか……と感慨深かった。

東京事変が好きで、もう十年以上前になるけど香川県にライブに来たとき観に行った(友人が申し込んでくれた)。その時以来。

わっちのピアノ好きだった。「能動的三分間」のMVで花束を投げつけられるわっちも好きだった。

 

3/16(土)

会場は善通寺の偕行社。善通寺にはたまに行くが、偕行社は初めて訪れた。はじめどこから入れば良いのかわからず戸惑った。

善通寺市は建物や町並みがいい雰囲気。香川らしさもあるし、異国らしさもある。

行きしなの道中、東京事変で好き(わっちのピアノパートが好き)だった曲を聴いていた。

かなしみよ横たわってわたしを喰い尽さないで/関わり合って居ない知能と肉体だけ持て余して

東京事変「絶体絶命」)

絶体絶命

絶体絶命

  • provided courtesy of iTunes

この歌、東京事変で一番好きかもしれない。かなしみがいつも、かなしみと呼ばれる誰かの存在だと思って聴いている。

 

冷めきった終点なんて 秋空の夕日に寄り添った/まぁいいでしょ/何度もそう すがりたくはない

東京事変「シーズンサヨナラ」)

シーズンサヨナラ

シーズンサヨナラ

  • provided courtesy of iTunes

この歌詞の部分のボーカルとピアノの掛け合いがすごく素敵です。

 

(以下にセトリのねたばれがあります。)

 

イドカフェさんのいちごソーダを買い、席で飲む。定刻が来て伊澤さんが登場した。横をすーっと通り抜ける伊澤さん。わっち………。

わっちは終盤で「落日」を弾いてくれたのだけど、ちょうど窓の外にも夕焼けが落ちてきていて、ピアノの音色とともに、たまらなく美しい時間だった。

美しい人間、美しい建物、美しい音色、美しい夕陽。天国もこんな風ならいいのにね。

落日

落日

こんなに良い歌がどうしてカップリング曲なの?

「落日」は学生時代すごく好きな歌だったので嬉しかった。その後思いがけず弾いてくれた「人生のメリーゴーランド」も良かった。

近くで見るわっちは仔犬のような、魅力的な瞳をしていました。

これはライブのあとの落日。東京事変が香川に来たとき、林檎さんが、瀬戸大橋を渡るときの景色がとても美しかった。と言っていたのを思い出した。

 

血迷ったあたしのアクスタ、と彼が話していたわっちのアクスタ(大)買いました。

 

帰りにヤンフーのスープを買ったのだけど、それがめちゃくちゃ美味しくて生のよろこびを実感した。いい時間だった。

 

以下日記。

 

3/15

この日が一番大変そうだったが、いろいろ一段落する。同時に、もう終わっちゃったな……とも思う。「ありがとうございました」と、言いたかった人に伝えられて良かった。夜は髪を少しだけ切り、そのあとyomsに寄って帰る。

今日から夫は友人の結婚式のため泊りがけで出かけている。急に拠り所がなくなったように思えて、どこに行っても自分がいるのはここではないように思えて息がつまりそうだった。過ごせるよ。でも不在で存在を再確認した。(江國香織が昔こういう風に書いていたのを思い出した。) 

 

16日

朝、習い事。昼は先生とラーメン。

午後は冒頭の通り。

 

17日

昼から習い事。

夜、後輩とお茶をした。色々話せて良かった。会うまでは気が重くても、会えて良かったと思えて嬉しかった。

恋の話も聞いた。みんな幸せになってね。

夫も帰ってきた。夫はとても楽しかったらしい。良かった良かった。

 

この前の日記に書くのを忘れていたのだが、こんな会話を先日した。

「普通に過ごせているから、大丈夫かもしれないと思った」

「普通に過ごせているから大丈夫、ということではない」

どちらかが私です。でもどちらの言いたいこともわかる。

 

来週も楽しいことあるといいな。