本のある日記

本のある日記

日記・その時にあてはまる本・ことば・音楽。

さかのぼり日記

日曜日
さりげなく大切な話をした。朝から。
そこから出かけて習い事の大事な行事の日。
すごく疲れたけど、無事終わってよかった。
疲れてたらハンバーグ焼いてくれた。おいしい。でも疲れた。スイッチがぱちんときれたみたい。

土曜日
なにげなく立ち寄った公園で、紫陽花が満開に咲いていて嬉しくなった。紫陽花をバックに勉強していた男の子がいてなんか幻想的だった。紫陽花の精霊なのかもしれない。
なんでもない話をたくさんするから、何を話したか覚えてられないんだけど、それがいいねっていう話をした。そして、なんでもないときに思い出したりするよねって。

金曜日
朝から激しく転んで服が破ける。大丈夫ですか?とそばに来てくれる人がいて、ほんとうに尊敬する。しかし人の優しさがつらい。
昨日の号泣事件以降の、もやもやしていた気持ちを聞いてもらえてすっきりした。
「爆発する前に発散しようね」という教えをもらった。
雨のせいなのか頭痛がひどい。
「楽しそうだね」とか「元気でいいね」って言われるけど、私だっていつも必死なんだけどな。
夜はそっと開かれている、一箱古本市に出かける。たまたま車を停めたところの前にヤンフーがあって驚いた。今度行ってみたい。

木曜日
ちょっと動揺することがあって、職場の人の前で大号泣する。「きみはもしかして今まで人間関係でつまづいてきたんじゃないのかなって思って」と言われてさらに泣く。その分析、いま必要だったのかな?
自信がなくなる。やっぱり憑物取れてないよ。
もっとうまく感情をコントロールしたい。
夜は練習。高校生と話していると少し元気になった。

水曜日
みやわきさんに会う。元気が出た。

健康的になったね、と言われた。
病んだ空気がなくなって、
「憑物が取れたみたいな顔してるよ」って。
それはとても嬉しい言葉だった。

火曜日
白いたい焼きもらう。

月曜日
夜の街をそっと散歩する。


『セブンティーン 2021 7月号』

写真が可愛ければセブンティーンだって買ってしまうよ。思ってたよりギャルギャルしくなかった。シンプル、あるいは無難。

ANY/DOM

24日
大学時代の友人が連絡くれる。ひさしぶりなんだけど全くぎこちなくない、そんな感じが嬉しい。

25日
中学生と話す。怪しいことに興味津々なお年頃でも、まだまだ幼くて可愛らしい。

26日
話しているうちにギスギスしてきて、たまらなくなる。そんな夢を見た。職場で声をかけてくれる人が何人かいて嬉しい。いつも助けられている。

28日
髪を切りに行く。だから早く帰りたい!「それが例えば今からデートだからとかなら、協力するけどさ〜」と若い女の子に言われた。ちょっと笑った。
髪を切ってもらいながら、本読んでますか?と尋ねられて「そういえば最近、美容師さんの出てくる本を読みました」と話す。

藤緒あい『誰かのことを好きなだけ』

あらすじ
彼氏にふられて婚活もうまく行かない唯衣子は、うどん屋でイケメン美容師・榛名に声をかけられる。
そこからトントン拍子でいい雰囲気になり、二人は恋人同士に。
いつも優しく自分のことを満たしてくれる榛名のことをみるみる好きになる唯衣子。
しかし榛名はいつでも誰にでも「そんなこと」をしてきた男性らしい。
自分は彼にとって特別な存在ではなかったのかと、不安になった唯衣子は……。

ルビのない漫画。ルビがあるとちょっとあたたかみが増す気がしない? それは少女向けだからなのかな。そんなことを思ったのは、藤緒さんは過去にSho-Comiで作品を発表していて、そのころの作品にはルビがついていたからなのだ。

ルビのない冷たさが、そのまま漫画の雰囲気に合っている。
自分はだんだん好きになっていくのに、相手はどんどん冷たくなって、結局はじめの頃が一番優しかったというかなしみ。
最近キラキラしたものを読みにくくなってきたので、ちょうどいいダメ加減が、ちょうどよく刺さってくる漫画です。

明日は抜歯なので、最後の晩餐でごはんを山盛り買う。金曜ロードショーの『スタンド・バイ・ミー』を観る。


29日
髪切って可愛くなった!美容師さんありがとう。そして親知らずの抜歯!
「よく来たね〜」と歯科助手さんに頭を撫でられる(30歳)。歯茎切るのかな、顎の骨砕くのかな、と震えていたら、何もしないで5分くらいでぐいっと抜いてくれた。す、すごい。
痛みも少しだけで、普通にもりもりお昼ごはん食べてしまった。

夜は鶏肉をコチュジャンで炒めました。

30日
日曜日、ひさしぶりにすやすや寝た気がする。
朝はカレーモーニング食べる。おだやかな時間。完璧な朝でちょっとだけ情緒不安定になる。
5月ももう終わりだし、6月からはまた練習も再開すると思う。つかの間のバケーションって感じだった。でも、バケーションはつかの間だからいいのかもね。

相対性理論『マイハートハードピンチ』

車のラジオで流れていた。まみむめもっと。

すきな宇多田ヒカルの歌(ベスト11)

なんとなく考えました、絞れないので11位まで。

11位『俺の彼女』(『Fantom』収録)

俺の彼女

俺の彼女

最後に本音をさらけ出してフランス語でぼそぼそ歌うところが物悲しくて好き。


10位『WINGS』(『ULTRA BLUE』収録)

WINGS

WINGS

純粋なラブソングというか、この歌はなんか少女らしさがあって、そこが珍しい。喧嘩して戸惑ってる感じ、わかる。

9位『Parody』(『DISTANCE』収録)

Parody

Parody

クリエイターのナイトルーティン、という感じがする歌詞。トレンディドラマっぽい。
エレベーターの部分が好き。
「タイムリミットは目前」と歌って、次の曲が本当に『タイム・リミット』というアルバムの流れも好きだった。


8位『Time』

Time

Time

何があったんだろう……と思わなくもない歌詞だが、爽やかにまとめてるのでいいです。とろーんと流れていくリズムが好き。


7位『Let Me Give You My Love』

Let Me Give You My Love

Let Me Give You My Love

イントロがめちゃくちゃかっこよい。宇多田ヒカルのアルバムの中で『EXODUS』が一番好き。


6位『Letters』

Letters

Letters

不在が存在をより濃くする、と江國香織が書いていたが、そんな感じ。相手は一度も実体を現さないのに、ものすごく強い熱望を歌っていて好き。詩的な歌詞が続く中で、「シャツの上でも君に触れたいよ」「私にあなたを」等はっきり言っちゃうところも好き。


5位『SAKURAドロップス

SAKURAドロップス

SAKURAドロップス

イントロがダサいと言われそうだがむしろ好きなのだった。四季の移り変わりを「降り出した夏の雨が涙の横を通った」「秋のドラマ」と表すところが好き。雨の日になると聴きたくなる。あと、MVの宇多田さんがめちゃくちゃ可愛い。


4位『In My Room』(『First Love』収録)

In My Room

In My Room

火曜日の朝に聴く歌〜
「君は気づかない/名前すらきっと知らない/そんなことはどうでもいい」のやるせない感が好き。
私の母もこの歌が好きと言ってた。


3位『タイム・リミット』

実はテニプリの漫画を読んでいたとき、許斐剛さんがこの歌を好きだと書いていたのを見て、そこからちゃんと聴いたのだった。笑
あれがなければこんなに好きになってなかったかもしれない。
「仮に今しか言えない言葉があるとしたら/それを聞かせる声が私かもよ」って最高にCOOL!COOL!COOL!
これをJKが淡々と歌っているのがいいと思います。


2位『Hotel Lobby』

Hotel Lobby

Hotel Lobby

永遠に聴けるくらい好き〜
ミステリアスな歌詞も好き。ホテルのロビーの鏡の中で待ってるから……っていうところ。
アリスっぽい。
すごく孤独だったり暗い何か(物語とか、気持ちとか、景色とか)にふれるとき、いつもこの歌を聴いている。


1位『光』

光

本人の結婚と関係あるのかわからないが、タイトル通り、光のようにまぶしい感情が射し込んでくる感じが好き。
でもギラギラはしてないところがいい。
真夜中に車の中で聴くのがとてもいい。ウインカー無駄に出したくなる。
たんなる愛の歌ではなく、愛を確信したくて裏打ちするための歌、と以前日記に書いていた。
「もっと話そうよ目前の明日のことも/テレビ消して私のことだけを見ていてよ」
のところが好き。
最後のほう、真夜中に会いたい、って歌っているのかと思っていた。




普通にどの歌も好きです。

やわらかく/すずらん/硯

19日
雨の季節になると紫陽花が咲くのをじっと待っている。二年前から。雨は振り続けるが、まだ紫陽花は咲かない。

洗濯をしていると電話がかかってきた。
二十代最後の電話の相手はあなた。

20日
誕生日です。普通の気持ちだったんだけど、朝出勤するとプレゼントが置かれていたり、担々麺(私の好物)と小さなケーキをいただいたり、ビスコもらったり、遠隔から苺をもらったり、おめでとうってメッセージが届いたり、自分のことを覚えていてくれて祝ってくれる人がこんなにいるのかと、じーんとした。
母親が、『装苑』の表紙にスズランの写真を乗せた画像を送ってきて、花言葉をプレゼントしてくれた。この人なかなかやるな。すごく嬉しかった。

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ありがとうございました、みそじもがんばります。
そして新しい本が届く。本はとてもいい。わくわくする。

21日
過去の日記を読み返していて、病んでいるときはやはり病んでいたんだなあと思った。
本屋のときは毎日楽しいって書いていた。つらかったけど、仕事そのものはとても楽しかったんだろう。

仕事の合間に色々な本を見ていて感じたのが、本の世界ってすごく自由なんだということ。みんなこんなにも自由に綴っているのだから、私だってひとつくらい小説を書いて世に出せばよかった。

夕方、ルヌガンガとYOMSとサンリンシャに行く。各店長さんお元気そうでなにより。
本をたくさん買う。ルヌガンガのなかむらさん、ヨムスのさいとうさんに、最近のたくらみを話してみると
「いいですね」
「なにか始めていきましょう」
とそれぞれ言ってくれる。

市美(高松市立美術館)に立ち寄ろうとすると、月末まで休館とのこと。ミッフィーが館内からこちらを見ていたのが印象的だった。

夜はケーキとワインと鶏をごちそうになる。
生きててよかった。

22日
梅雨の合間の晴れ。公園でも行こうかとしたのだが、公園は公園でも墓地公園だった。でも景色が良い。そして、紫陽花が咲いているのを見つけた。とても嬉しい。
ぎこちなかった自分がいつのまにか自然と過ごせていること、意識せずやわらかく接していることに気がついた。けれど、それを伝えた人は私より先に気づいていたらしい。「思ってた」と言われた。

夜は茄子の肉味噌炒めをつくる。

23日
本当は髪を切りたいけれど予約が取れなかった。とりあえず日記をつける。日記を書くことは心の硯をすること。

〈白い紙を前にした詩人や作家は、創作意欲を駆り立てられるか、不安に襲われて沈黙するかのどちらかだ。(中略)/青い空を汚し、傷つけたくなるのは、それを正直に受け止めてしまうからだろう。〉

堀江敏幸『坂を見あげて』収録「負の座標に向かって」より)

坂を見あげて (単行本)

坂を見あげて (単行本)

エッセイなのか小説なのかわからない、散文集。たぶん、一篇ごとに月が進んでいくんだと思う。これは5月のことばたち。


〈空が救われたのか、私が救われたのか、x軸はゆっくりと溶け出して、ふたたび青の支配が始まる。五月の空は、まだ頭上にある。〉

堀江敏幸の綴る言葉はよくわかんないからもっとわかりやすく書いてほしいなって思うときもあるのだが、わかんないからいいんでしょうね。


今週のお題「雨の日の過ごし方」

ハートのらくがき/涙の刻印

6時間勤務にすると気分が乗りきらないね。(午前お休みとってた)

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手にハート描かれた。

思うことがあるけどひとつも言わずにだまっている。
なんかやるせない。
このままの状態で、みそじをむかえてしまうのかしら。


〈泣くときは、必ずカメラで自撮りをしている。SNSにこそ投稿しないが、その行為が感情を肉体に刻印しているような気分になり、あるいはあまりにぶさいくで冷静になることができるのだ。〉

装苑5月号 特集「私が好きな、古くて新しいものやこと」、くどうれいんエッセイより)

装苑 2021年5月号』

装苑 2021年 5月号 (雑誌)

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  • 発売日: 2021/03/27
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ラフ・シモンズのコートかわいい。

鏡や写真に映さなくても、涙が手の甲につくとはっと我に返る気がする。泣いて涙にふれると、人は一度冷静になれる。だから、泣くのかもしれない。なーんて。

感情の肉体への刻印、涙の写真、ハートのらくがき。
私にハートを描いた人も、おそらくそのとき言葉にしなかった気持ちがあったんだと思う。