本のある日記

本のある日記

日記・その時にあてはまる本・ことば・音楽。

どんなことでも?

職場の人と日記の話になった。

去年一年間、日記をつけていたのだという。

「(日記)が溜まってきたら、見返すと面白いです。乱れてるときは字も乱れてる」

「悲しいことも書いてますか?私は書きません」

「なんで?」

「思い出すと悲しくなるから」

「なるほどね。毎日書いてるんですか?」

「思い立ったとき、心に残ることがあったときだけ。気持ちを整理したいときとか」

 

今日は、困ったことがあったらまた言ってね。と声をかけてもらえて、でもそのあとに

「(でも)絶対言わんやろ?」と言われた。

 

言わないと思う。

言ったら助けてくれる?

どんなことでも?

 

疲れたので習い事も休んだ。20時を過ぎて帰宅したのに、夜が長く感じた。頑張り過ぎなのかな。少しセーブしようかな。でもまだ足りないよ。私はもう少し先に行きたいの。

 

……悲しいことも、そっと滲み出てますね。でも遺したいことだからいいの。

 

traveling

traveling

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宇多田ヒカルのベスト聴きながら出勤した。彼女の若いころの、情熱的に歌う声が好きだから、再録よりオリジナルが良かったなあと思ったりした。でも、「traveling」は結構良かった。

 

 

言葉にする

最近、宇多田ヒカルのスタッフアカウントが投稿してくれるinstazineを読むのが楽しみになっている。詳しくは宇多田ヒカルSTAFFによるInstagramをご覧ください。

traveling

traveling

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やっぱ自分のつくったものが、歌詞にせよ、曲調にせよ、何か実現しちゃうのね。

実現っていったら変だけど。

後から私がそれに巻き込まれていっちゃうの。

 

Instagram宇多田ヒカルSTAFF』 @hikki_staff 2024.4.4投稿の『traveling』instazineより引用)

 

travelingのinstazineに載っていた言葉。わか(るような気がす)る。わかりたい、私も実現させたい。

春の歌って思ったから、この前からたくさん聴いてる。しかし、実際に発売されたのは秋の終わりらしい。春の夜の夢のごとしなのにな。

 

 

4/5

どーーしてこんなことしてるんだろ〜みたいな仕事をしている。でもそのおかげで話せるようになった人もいる。

夜は疲れて夫とバーミヤン

金曜ロードショーで『すずめの戸締まり』観た。

必要な物語かもしれないけど、自分の中でフィクションとして、消化できないの。私の個人的な意見です。

魔女の宅急便』のほうが私は好き。あえて寄せにいかなくてもよかったんじゃないかなぁ。

 

6日

習い事の練習、先輩が来てくれる。この日の練習は楽しかった。自分のためだけに自分のやりたいようにできたからなのかな。

 

7日

習い事の行事。家に不在のことが多くて夫には申し訳ない。無事終わり安心。きのうの練習いい感じだったから、いい感じになるだろうと感じていた。

帰り際に後輩と恋の話をする、楽しそう。

 

8日

仕事、ばたばたして気がつけば夕方。

バーミヤン、いませんでしたか……?という会話をした。

職場の人と、会話していて、ふいにさっと会話が終わるとき、少し寂しくなる。でも今年は孤高、孤高孤高。

でも訪ねてくれる人もいて、会えて良かったなとか、(その人が)生きててよかったなと思う。

今は仕事をこなす、行動を起こしていれば、何かしら得るものはあると思う。

仕事が楽しいけどこのままでいられないような気もして焦ったり、もう少しここにいたいような気もするし。

 

さまざまな感覚をどんどん言葉にしたい。まだまだ足りないの、全然うまく表せないのに。

 

 

何か楽しいことあるといいな

4/1

新年度、ついにはじまる。落ち着かないけどいろいろなことがどんどん進んでいく。

 

2日

服を褒められた。かわいいカーディガン着てて良かった。

先輩にメールした。うどんの写真が返ってきた。

 

3日

朝、書店の夢を見た。カゴに商品を入れなければいけないのに、点数が数えられない夢だった。

昼はご飯を持ち寄ってパーティーをした。

人がたくさんいるところにずっといて、疲れた。疲れたので夜は回転寿司を食べに行く。

家についてから、車内にとどまって、雨音を聞きながら助手席のシートに寝っ転んで、夫にいろいろな相談をした。

これからどうしたら良いと思う?

何について?

あれもそれもある、でも、わからない。いや、本当はちゃんとわかっている。

つきつめると自分に自信がない。人からどう評価されているのか気になる。あらゆるすべての面で。

 

4日

雨予報だけど晴れだった。ニットを着たら暑かった。ふだん眼鏡じゃない人が眼鏡だった。ギャップだね。

何か楽しいことあるといいですね、と言うと、

最近それよく言ってるね、と先輩につっこまれた。そんなに口にしていたのか……。

でもね、

一日のうちでこうなればいいといことが、ひとつ叶ったら、そしたら、まだ足りない、まだ足りない、もっともっと、と思ってしまう。

どうしてなんだろう。この欲はどこから出てくるんだろう。私はどうしてこんなにわがままなんだろう。どうなれば、もういいやってなれるんだろう。

 

子連れの方が、絵本の『あんなに あんなに』をお子さんに読んでいた。『このあとどうしちゃおう』も読んでいた。

声が聞こえてきた。

「好きなものはある? 好きな人は?」

「とと、かか………」

「そうだねぇ」

すてきなひと時だった。わたしも子どもが欲しい。でも、あんなに素敵になる予感はひとつも持てない。子どもがいる未来もみえない。

 

夜、習い事。日常と全然違うことをすると、頭の中がからっぽになってすっきりする(すぐ戻るけど)。そう思うと、習い事も自分のためになっているんだと思う。

 

リライト

リライト

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最近、仕事頑張っている。超えたいところがあって。

カリスマになりたい、と言うと夫はいつも笑うけど、本当にそうなりたい。私は私で、誇り高い人になりたい。誰かに脅かされるんじゃなくて、私は私でいたいの。

 

traveling

traveling

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宇多田ヒカルの「traveling」聴いていて、これは春の恋の歌なのかもしれないと思った。

 

 

壊してほしいのかもしれません

3月31日

朝、PAUSA COFFEEでモーニング(トースト)。キャラメルラテ美味しかった。

桜を見つけにいく。こんな休みの日に来る事務連絡ほど、心を壊すものはない。憂鬱になる。こんなにつらいのなら、やめてしまったほうがいいのかもしれない。

朝、ご飯が運ばれてくるまでに小川洋子『完璧な病室』を読む。

 

――何故わたしたちは別人なのですか。

――あなたの体液の一滴が、わたしの中で繁殖し続けているというのに。

――あなたには届いていないのですか。この痛みとも圧迫とも痒みとも幻想ともいえる感触が。

ことばにならない声が、胸に沈殿していく。

 

小川洋子『完璧な病室』収録「揚羽蝶が壊れる時」より引用)

短編集。表題作は病に冒された弟と姉と主治医の物語。

揚羽蝶が壊れる時」は老いた祖母とわたしと彼と揚羽蝶の話。

「冷めない紅茶」は水死体と女性と同級生とそのパートナーと図書館の話。

「ダイヴィング・プール」は孤児院で育ったふたりの少年少女の話。

脆弱な存在と、健全な存在が対照的にあって、そのどちらにも惹かれていく心と、それにともなう快楽、を想像する心。を描いている。どの物語も。

儚いものを愛でているけど儚いものはぶっ壊したくて、いとおしくて、でもやっぱりぶっ壊したくて、強いものにはぶっ壊されたい。そんな希望を感じる。

小川洋子って変態だと思う。でも綺麗なの。汚いけど綺麗。

たぶん、わからない人には何を言いたいのかわからない世界だと思う。けど、私は読んでいて、この物語たちの願いをわかりたくなってしまう。わかってしまいそうになる。好きです。

揚羽蝶が壊れる時」は物語としてはいろいろ不完全ではあるのだけど、私はこれがこの本の中で一番好き。瑞々しいというか、すごく素直に表された話だと思う。相手を求める期待が一番強くあらわれている話だと思う。

小川洋子の書く物語で好きな表現はその恋の仕方なのかもしれない。私は、(物語で示されるさまざまな)それらの祈りを恋だと思っている。

「ダイヴィング・プール」は望月花梨さんに漫画にしてほしい。すごく良いと思う。

 

the brilliant greenの「冷たい花」で

清らかな心でぶっ潰したい

という歌詞があるけど、小川洋子の書く物語はそんな雰囲気になっていることが多い。

冷たい花

冷たい花

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図書館にも生活のにおいがない。空気がしんと目をつぶってうつむいている。みんなが自分の内側に引きこもっているので、だれもわたしの気持ちを乱さない。

小川洋子「完璧な病室」から引用

いい!

そう、でも、気持ちを乱されることをきっと彼女は望んでいる一部分もあると思う。そして、いつくしみながら壊してほしいと願っている。読んでいる私が、勝手にそう願ってしまうだけかもしれないのだけれど。

 

 

 

お題「我が家の本棚」

さやかに離れる

離れてしまう人たちに本を贈った。

ルヌガンガは半透明でラッピングしてくれるから表紙がみえて、なんだか嬉しいね(贈る側が)。

 

28日

このところ続いていた客足が途絶えて、退屈な一日……と思っていたが、夕方に、この春から別の部署に変わる方があいさつに来てくれた。ペンをプレゼントしてくれた。すごく良くしてくださった方なので、話していたらさびしくなってきて「涙が出てしまいます〜」と言ってほろほろした。

さびしくなるから、離れてしまう人とは深く話さないようにしていた。その代わり、手紙は書いたんだよ。

夜は練習。習い事の教室、なんだか人が増えてて時代のうつりかわりを感じる。同い年の人が久しぶりに来てくれて嬉しかった。

帰宅すると、夫は仕事をしていた。明日が気がかりとのこと。追い詰められているみたいだ。

 

29日

朝は歯医者。

とてもあたたかい! 急に春がきた。

職場の送別会などある。この春、割と仲良くしてくださった人たちが去ってしまう。この日が最後に会える日だけど、なんとか泣かなかった。数年前なら泣いていたのかな。少しだけ距離をおいて、前を向くことも大切なのかなと思って、明るくしていたい。

夜、職場の人と少し話しているうちに、この前(私が不在だったとき)訪ねてきてくれていたことを知った。嬉しかった。自分の感覚としては物足りないだけで、私はそんなにさびしくない人間なのだと、本当はちゃんとわかっているつもりです。

夫は髪を切っていた。さっぱりしてよく似合っていた。仕事もなんとかいったらしい。良かったね。

 

30日

朝、おいしいパンを食べてからお腹が痛い……。しかし習い事へ。こちらも春でお別れの人がいる。さびしいね。

帰宅後は体調がすぐれず、寝て過ごす。さや香が王様のブランチの物件紹介コーナーに出ていた。東京に進出するらしい。同じ時期に、同じように環境が変わる人を見れると少し安心する。気がします。さやか、はさわやか、という意味もある。

みんな、何かひとつでも、嬉しいことあるといいね。

仕事の人たちとのやり取りもいくつかするが、言葉にするのが好きなのに言葉にするのは難しいなって思う。

夜はチキンカレーを作る(お腹痛いのに……)。

 

時間がお薬

忘れ物の様に落ちていた恋

日常の中で息づいてたあなたとの日々もなくなるから

あたしも明日に向かって…

aiko『桜の木の下』収録「お薬」より引用)

お薬

お薬

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春がきたのでこのアルバムを聴いていた。このアルバムわりと地味じゃない?と思いがちだけど、聴けばミリオンも納得〜と思わされる……。

「お薬」好きです。テンポも歌詞もいい。この頃の歌い方も好きです。わーすーれもののようにー の、ようにーの言い方がいい。電車に乗りながら聴きたい。