本のある日記

本のある日記

日記・その時にあてはまる本・ことば・音楽。

バカンスの後のけだるさ

沖縄へ行ってました。自分たちのためだけの長い休みは慣れなくて、どぎまぎしながら過ごしたけれど、過ぎてしまえばとても良い時間でした。いわゆる新婚旅行。新婚の終わりだと思うと寂しいね。家族としての形は今後、変化していきたいけど、今の時間が終わるのは寂しく思う。

沖縄本島と、宮古島を旅したのだけど、宮古島香川県庵治町に少し似ていた。沖縄では庵治を想ったけれど、今後、庵治に行けば沖縄を想えるのかもしれない。

今後、沖縄のことを書くかどうかわからないので特に好きだった場所を書いておくと、古宇利島にあるトケイ浜という浜辺がとても美しかった。ひと気がなくて、水が澄んでいて、心地が良かった。あの浜にはまたいつか訪れたい。

「今回の旅を終えて思ったことは?」

「まとまった休みもいいけど、こまごまとした休みをとって、都度楽しむほうが自分には合っているのかもしれない」

……こんな話も、夫とした。わかる気がする。沖縄での時間は特別なものになったけれど、長い休みは後ろめたさもあるし、終わってしまう切なさも、特別でなければならない緊張感も、とびきり強かった。特別を知ったから普段の生活の幸せにも気づくことができた、のかもね。

私たちはハレクラニ沖縄に泊まっていた。ハレクラニはとても敷地が広く、散歩するだけでも楽しかった。夜はランドリーまでが遠くて、何度も散歩することになった。部屋では映画が観られるのだが、『ローマの休日』を選んで夜中に観た。オードリー演じるアン王女が詩を暗唱する場面があって、その作者を「シェリーだ」と相手が正す場面がなぜか心に残った。王族と市井の民が、詩を語り合える、会話の共通点が詩であることが素敵だと思う。ラストは思いがけず切なかったが……。

 

沖縄のことをずいぶん書いてしまった。沖縄から帰った夜は疲れてマックを買って食べた。その翌々日は習い後の行事で関西へ。自分は頑張っていると思う。

 

そして今日が長い休みの明けだった。

「おかえり」と声をかけてくれた人が何名かいた。嬉しかった。

仕事では早速悲しいことがあり、帰ってからも思い返すと心に靄がかかって、なんともいえず苛々した。私の仕事なんてどうでもいいやと言われた気がして悲しかったのだ。

この職場でもまあまあな数の喧嘩をしてきたな、私が怒った人、あっちにもこっちにもいる。こんなに敵を作って、私は心が狭いのかな。現実はこんなに一瞬でストレスが溜まってしまうんだ、だからやっぱり、バカンスはバカンスなんだ。

 

別件で、最近、年下の子の悩みを聞く機会が多い。聞くだけでいいと思って、聞くだけにしている。でもたまに、何か言ってあげられる力があればなあとも思う。笑っていてほしいなとも思う。聞くたびに、自分が彼らと同じ年代だったときのことを思い出す。

私もよく、好きな大人に相談していた。好きだった先生、先輩。

長い時間をかけて話を聞いてくれて、言葉を返してくれて、嬉しかった。言葉も求めていたけれど、「その人に聞いてもらう」という時間そのものに自分を救うための意味があるような気がしていた。その場所であなたに聞いてもらうことに、私が救われていたんだと思う。

今思えばあんなに話を辛抱強く真剣に聞いてくれて、本当にありがたかったなと思っている。あのときは、すぐには、自分の中で最適解を出せなかったけど、こうして十年経ってようやく意味をなしている気もする。あのときの時間がいま活きてます、と、あのとき聞いてくれていた人に伝えたい。

 

ということを考えながら、今夜は歯医者へ。受付のお姉さんが「9月ぶりですね」と声をかけてくれた。確かに前に来たときは半袖を着ていた。そんなに経っていたんだ。前回は色々あって処置を受けられなかったのだ。

無事に治療してもらって、ずいぶん楽になった。病院は行くまでが一番憂鬱。歯医者を後にして、気持ちも少し切り替わる。でも、帰宅して、夫に話を聞いてもらったら、また思い出して少し悲しくなった。

 

バカンスのあとのけだるい月曜日、厳しい現実。でも、ここからだんだん調子があがっていくといい。

 

TETORA「People People」

People People

People People

  • TETORA
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

沖縄のラジオで流れていた歌。モンパチのカバーらしい。この雰囲気すごくいいよ。天気の悪い日に聴きたい。

けだるいガールズバンドが好きなの。与那覇前浜に着いたとき、流れていたの。