本のある日記

本のある日記

日記・その時にあてはまる本・ことば・音楽。

日々にさりげなく存在する秘密の時間

14日

仕事帰り、15分だけアートを観に行く。

残業で思ったより時間が取れず、ギャラリーが閉まる直前になってしまったが、他にお客さんはいなくて一人でしずかに絵をながめることができた。

お姉さんが少しだけ解説してくれて、こういう人が居てくれるのはいいなあと思う。水先案内人のような。

15分だけの短い時間だったけど、生活にアートがある感覚を少し思い出してリフレッシュできた。書店にも寄りたかったが、定休日のためまっすぐ帰る。

帰宅して夕飯を作って、家族と食べる。そこからは数時間前に絵を観ていたことなんて嘘のように日常だったけど、その時間を思い出すと少し楽しかった。

絵を観に行くような格好をしようと思って、黒ずくめの服装だった。

先日、少し気まずくなった人からも尋ねられた。

「なんで今日そんな黒いの?」

「気分です」

 

この日は詩も書いた。詩は作るのが楽でいい。深く考えずに綴れる。そして本当の気持ちも少しわかる。私が思ったことの瞬間をおさめる作業。写真を撮ることに似ている。今年も秋の詩集ができそうだ。

 

15日

帰りがけ、職場でふと顔を上げると、先輩が目の前に立っていて驚く。

「うおお……っ」

「そんなに?」

先輩は何か話したいことがあるようだったが、まわりに人が多くて断念する。落ち着いてから連絡をとり、源氏パイを渡した。

「これおいしいね」

と、言ってくれる先輩。

お互いに仕事の愚痴を言い合う。これからどうしていこうかという不安も。

先輩はとても良い方なので、そんな方がここを選んで来てくれたことが嬉しかった。

夜は練習。いつも行かない会場に行く。

朝日新聞の折々のことばに、川田順造の『聲』から文章が引用されていて読みたくなった。しかし、Amazonではすでに価格が高騰したものしかなく……いつか手にしたい。

 

16日

友人の子どもを子守する。抱っこしていて腕が痛い。まわりにいた人たちも子どもをたくさんあやしてくれて嬉しい。お礼にビスケットを貰った。

自分に子どもがいるビジョンがまだ見えない。遠い世界の話のようだ。

夜は練習。目標を決めて、そこに向けて。

 

17日

朝からあまりついていない。

後ろから誰かが「おはようございます」と言ってくれた気がしたけど、私でないかもしれないし気のせいかもしれなくて、振り向く勇気が出なかったよ。

ここ最近口をきいていなかった人と久しぶりに長く話す。

上司とも長く話す、これからについて相談した。この職場にもずいぶん長いことお世話になっている。

最近、まわりも少しずつ変化があって、でもそれを話してくれる人も増えた気がする。急に寒くなって、急に色んなことが動きを変えるような、そんな気持ちがする。

夜は夫とご飯を食べに行く。あたたかいピュアダージリンの紅茶を飲んで少し本を読む。

 

 

 

 

今週のお題「最近飲んでいるもの」