本のある日記

本のある日記

日記・その時にあてはまる本・ことば・音楽。

いちど さがって

27日

「また来週」と言われた。「また」っていい挨拶だなと思った。ほどよく優しい。

夜は職場の人たちと、うどんすき。寄り道をしたいけど、真っ直ぐ帰ってしまう。

 

28日

休日仕事その1。この日は夫が飲み会なので、一人でカフェでも行くぞの気持ちだったのに、疲れてさっさと帰宅。

寝間着で、ゲームして、携帯見ながらごろごろして……家族不在というのは、小さい頃の留守番を思い出す。

22時。真夜中の喫茶店に行きたいなと思う。でも、おっくうで寝転んだまま。行こうと思えば行けるのに、行かないままの場所。それは海と似ていた。

 

29日

朝、夫と喧嘩する。ほとぼりが冷めないまま仕事に行った。

仕事でも苛々がある。自分は何をこんなに怒っているんだろう。でも、もっと楽しくできると思うのに、もっと違うやり方もあると思うのに。そんなやるせなさ。

帰宅してご飯を食べ、夜スタバ。旅の計画を立てる。ホワイトラテは美味しい。

夜は何となく眠れない。日記を書こうと思って止める。

 

30日

自分の中の想いを一度フラットにしてみる。あることについて、私は期待をしていたけど、それは私の中だけの可能性だったのかもしれない。それを認めることは悲しいけれど、必要であるような気もした。

 

最近、人から苦しい話をされすぎて、私も苦しい。

どうすればいいのか、どんな解決をすればいいのか、とばかり考えているけど、

ただ、つらいときにつらい気持ちを聞いてくれる人がいるという事実だけで相手は充分なのかもしれない。そして、私は多少の無茶をしても大丈夫な(離れない)人なのだと、相手から選定されている結果なのかもしれない。そう思った。さっきふいに。

温度を上げすぎず、距離は離れすぎず、疲れたら立ち寄れる。そんな人でいたい。

 

31日

仕事で大切な案件がありどたばたするが、まわりの人がいろいろ助けてくれた。

職場におみくじを置いた。置けばちゃんと引いてくれる人たちがいて、好き。

 

「私にも、その表情のつくりかたを教えてくれる?」

乙一『GOTH』より)

この前ちょっとだけ読み返して、やっぱこの物語すごくかっこいいな……ってなった本。同じタイミングで、学生時代の友人も話題にしていて、おおーとなった。このどこまでも暗黒な世界で青春して、最後も爽やかに幕を閉じて、でも取り返しの付かない痛みを残すのが最高なんだよなあ。(私は単行本版しか読んでいません)

 

かぐや姫の物語

観た!帝のデザインしか知らなかったのでクセ強めなアニメとばかり思っていたが、普通に面白かった。ひとりの女性の生きる姿が描かれていた。

終盤で天界から迎えが来る場面があるのだが、前に平等院鳳凰堂で見たの(雲中供養菩薩像)だ!と感動した。

月に戻る……元いた場所に帰るだけの場面のはずなのに、「死」という印象が強かった。音楽が素敵なぶん、怖かった。

「行かないで、姫」のところは逆『異人たちとの夏』みたいで胸がしめつけられる。

捨丸との関係もいいのだが、結局、地上にかぐや姫の居場所はどこにも無かった……ということを思い知らされて悲しくもなるのだった。

職場の人にこの映画の話をしたら、「原作には強い光で毛穴が見えるという描写があるが、当時そんな強い光は存在しないはずで、毛穴が見えるなんて描写も考えつかないはずなのに……やはり未来から来た物語なのかもしれない」と教えてもらった。