おとうさん、うでに傷がある人があっちにいるよ。と息子が言う。父親が見ると、金色の華奢なブレスレットをした女性が立っている。この子は装身具のことを傷と呼ぶんだなと、父親は思う。
そんな夢を見た。もうひとつは学校から帰れない夢。学校の夢はつらかった。
朝は練習に行っていて、すいかを食べる。
帰ってお風呂に入って、昼食を食べるとなぜか体がしんどくなってくる。そのまま寝てしまう。
起きてだらだらする。言葉にならない何かのかわりに身体が動いたりする。そのうち部屋のカーテンがピンク色になっていることに気がついて、外を見ると夕焼けが広がっていた。
窓を開けると、通りすぎていく誰かが「もう夏だなー」と話し合っている。
分からないけど胸がずっともやもやしていて、答えがほしい。そう思って本棚をさぐる。
今日手に取ったのはこの本。
〈結局、生活する範囲が自分の世界であることを知ったから、どこにいても同じだと思った。〉
庄野雄治『誰もいない場所を探している』
- 作者:庄野 雄治
- 発売日: 2015/10/27
- メディア: 単行本
徳島でコーヒー豆のお店を営む店主さんの本。
この感覚、いまのお家に引っ越したとき思った。
引っ越すとき少し嫌だったけど、引っ越してしまえば自分は何も変わらず町に馴染んでいく。
昨日、自分を嫌いだなと思う出来事があって、そう思うたびにどこかへ失踪してしまえば何か変わるのかもしれないと思ってしまう。自分のことが嫌いだから追い込まれて逃げられない夢も見るし。
でもここに書いてある通り、どこにいてもさほど変化はないんだろうなと思う自分もいる。どこにいても私の生活であることは変わらないから。
他人の中にいながら思考を自分だけの海へ落としこめていきたいんだけど、それができる場所をあまり見つけられない。