本のある日記

本のある日記

日記・その時にあてはまる本・ことば・音楽。

連休編(過程)

5/2
朝だけ出勤、働くみんなを後目に職場をそっと去り(有休)高知へ。
旅行は久しぶりでドキドキする。

まず、かつおのタタキを食べに南国市にある「たたき工房」へ。お店の人は大変そうだが、タタキはたいへんにおいしい。感激。タタキーホルダー買う。

その後、牧野植物園へ。植物園に行くのは実は初めてかもしれない。大きな温室があり、『エマ』のワンシーンを思い出した。四つ葉のクローバーを探したり、ロサ・ギガンティアで盛り上がったりした。牧野富太郎はあんがいだめ男らしいと知った。(奥さんが良くできた人ともいう)

桂浜で夕焼けと波打ちぎわを見て、宿へ。マルシェゆすはらに宿泊する。到着が少し遅くなってしまい、晩ごはんどうしよう……と思っていたが、近くで開店していた「ダイニングバーサライ」へ。ご主人もママもたいへん良い方で、三線の演奏を聴きつつお酒の席の遊び方を教えてもらった。何よりごはんがおいしい……。あの夜のホタテの美味しさ忘れられない。

「雲の上の温泉」へぎりぎりで到着。サライのご主人にはとてもお世話になった。(色々と梼原町の話もしてくださってありがたかった)
温泉も久しぶり。
ぽかぽかになり、再び宿へ。隈研吾の本を読んで寝る。
まったく関係ないことで、ずるいと思わない?という話をした。

3日
朝、宿の部屋の引き出しを開けるとミレービスケットがお茶請けとして入っていた。お茶を入れて、それを食べて、隈研吾の本を引き続き読む。
ホテルの一階はマルシェになっており、D’a Pan屋(だっぱんや、というパン屋さん)のサーターアンダギーとチーズパンを購入。ジビエアヒージョの缶もお土産に購入。
そのまま、散歩をしていたら、今回の旅の目的だった「雲の上の図書館」にたどり着いてしまう。朝ごはんをそこで食べる。(イートインスペースがある)

そこから二時間くらい、本を読んで過ごした。心理に関する本、サブカルに関する本、エッセイ、子ども向けの本、など。ヤングアダルトな感じの本が自分は好きなんだな、となんとなく思った。装丁もかわいいし、内容も希望や夢が詰まっているからかもしれない。

人間工学の本も面白そうだった。

図書館は、写真からイメージするほど広くは無くて、本(棚)の数もそれほど多くはないのだが、なんとなく隠れ家のような秘密基地のような、隠れてしまえそうなところがいいと思う。
ひっそりと本を読んでいられる。

外に出ると山の緑がきれいだった。

お昼ごはんに行きたいが、行きたい店が開いておらず、とりあえずカンズヒュッテというコーヒー屋さんに寄ることに。
コーヒーとマフィンを食べた。偶然ここには「書林くものうえ」という無人経営の書店があり嬉しくなった。餃子の無人販売も人気だし、書店もそのうち無人販売がメジャーとなるのかもしれない。

セラピーロード(と呼ばれる散策に適した山道)を目指して車を走らせる。「シェ・ムワ」という、魔女の宅急便に出てくるようなパン屋さんがあり、玉ねぎパンとあんぱんを購入。パンばかり食べているが……。どちらもおいしかった。シェ・ムワの響きが私に「シェンムー」を思い出させた。

いつかやってみたいんですよね(セガサターン版をね)

セラピーロードがすぐそこにあるのだが、なんと全面通行止めらしい!がーん。
少し疲れて、近くのベンチで休む。すぐ下には崖があり、川が流れている。断崖絶壁の地面には美しい花が咲いていて、緑も花も風もきれいすぎて、三途の川に来た気持ち。

「ここから飛び降りたいと言ったらどうする?」
と尋ねたりした。自分で口に出してから、すごく久しぶりにこんなこと(飛び降りたい欲求)を考えたなって思った。多分最近の私は健全なんだと思うよ。

息をととのえて、高知市へ戻る。
高知の蔦屋書店で、マルシェのような夜市をしているらしい。そこへ行くことに。
夜市はたいへん賑わっており、そこだけコロナ禍前の世界みたいだった。それがいいことなのかそうでないのか私はここには書かないけれど、人々はみなとても楽しそうで、もちろん私も同じだったと思う。
ヒビヤレコーズさんの、土佐のあかうし煮がものすごーくおいしくて感動した。縁側でイカの串食べたり冷たいクラフトコーラ飲んだり、夏祭りみたいな夕べだった。

帰りに狩野英孝マクドナルドのバーガーを食べくらべする動画を見て、むしょうにマックに行きたくなる。
無事香川に着いて、少し大切な話をして、解散した。旅はいつも最終日の前の夜からとても寂しくなる。でも寂しさは永遠には感じられないものだとも思うから、寂しさも大切に感じていきたい。うまくいえないけど。
学校に行きたくないときは、家から学校まで行くあいだがいちばん嫌だった。
人と離れたくないときも、人と離れて家まで帰るあいだがいちばん嫌だった。
過程がいちばん辛くて、そこへ行ってしまえば(過程を通り過ぎてしまえば)苦しみはやわらいで脳が環境に順応していく。そうじゃないときもあるけど。
だから、過程がつらいというだけだから、健全になるためにずるずる一緒におらずに解散しようよ。と、話した。たぶん。




隈研吾『建築家になりたい君へ』

丹下健三の名前が出てきて、おおーとなった。
隈氏はわりとスパっと、キライなものはキライ、スキなものはスキとはっきり書かれているので、そういうところが面白かった。
あと、罪を背負っている感覚というところが、なんだか印象深かった。

『エマ』

アニメを見ていたのはもう遥か昔のことなのに、温室に入った瞬間ありありとその場面のことを思い出した。作品ってすごいな。