本のある日記

本のある日記

日記・その時にあてはまる本・ことば・音楽。

愛車とのお別れ

私には愛車と呼べる車があって、免許を取ったころから私の下手な運転にも耐え、安全を守ってくれて、私がどれだけ残業しても変わらぬ顔で待っていてくれて、心が病んでいたころは車中泊もたくさんしたし、車の中で数え切れないほど泣いたし、たくさん逃避行した。
私の幸せも絶望も見ている、家族の誰も知らない私の姿を知っている唯一の存在で、ほとんど家族のように大切な車だった。
でも、その車とお別れするときがついにやってきた。
お別れといっても、家族が引き取ってくれることになったので永遠の別れでは無くなったのだが……それでも寂しかった。
一週間前にお別れのドライブで花見をして、昨日は、君とはしばしのお別れよ、と告げて、お別れの準備をしてきた。
それでも今日、最後の道を走っているとき、今までの色んなことを思い出して涙がたくさん出た。
新しい車に心躍っても、たったひとりで待つ愛車のことを思うと涙が出た。

新しい車の中で泣いていたら、ラジオからスピッツの『恋のはじまり』が流れてきた。

大切なものや、大切な人との付き合いが長くなってきて、恋のはじまりでは全然ないし、むしろ楽しい時は終わりそうで怖いのだが、この終わりと引き換えに何かが始まってゆくとも思う。
変化は嫌いだけど、変化しなければ始まらない大切なこともきっとあると思う。
愛車にたくさん好きな人たちを乗せて、楽しい思い出も作ることができて、最後まで元気に乗れてよかった。
私がさみしいときも嬉しいときも一緒に過ごしてくれた車に感謝!大好き。

〈疵を数えたらきりのない車だった。/それでも、私たちはその車がとても気に入っていた。それに乗っていろいろなところへ遊びに行ったし、たとえどこにも行かない日でも、毎日たくさんの時間を停まっている車の中ですごした。〉

江國香織『なつのひかり』より)

この物語で、主人公と兄のふたりが愛車のカリーナとお別れする場面が大好きで、自分が大切な車とお別れするときには同じようにシャンパンをかけよう、と思っていた。

でも、お酒売り場でシャンパンを見ながら、これをかけるのは本当に車が寿命を迎えたときにしようかな、と考え直して、今はまだしていない。

4月11日
お昼ごはんにホットサンドをつくる。

12日
職場で話した人の年齢がひとつ違いだった。

13日
仕事もうまくいかなくて、私生活は不安が多くて、大丈夫かな?という気持ちになり泣く。みんなそれぞれ不安はあるものだよ、と言われた。

14日
夜、練習。久しぶりににぎやか。

15日
仕事全然だめだけど、疲れ果てて、早く帰り早く寝る。

16日
朝から夕方まで練習。注意力散漫になってきてるしもう今日は練習やめれば?と先生に言われる。夜はホットサンドメーカーで炒飯焼いてみる。

17日
朝から、地域イベントのボランティア。こういうの初めてでどきどきした。何もないところにどんどんお店(ブース)が設営されていくのを目の当たりにして、たくさんの人が動いていくのを見て、すごくわくわくした。
コロナでしばらく街を離れていたけれど、やはりお店という空間には夢があるし、こうして街がお祭りのように動くのは良い。

コーヒーを奢ってもらったのと、まかないでお弁当が出た。おいしかった。優しいお姉さんが一緒にいてくれた。花瓶と雑誌とお菓子を買った。
夕方、車とお別れした。
その後、少し走った。体力つけたい。

恋のはじまり

恋のはじまり