17日
仕事で県外へ。行ったそばから帰りたい。古いホテルは苦手。隣の部屋の人の、携帯のバイブレーションがうっすらと聞こえてきてぞっとする。悪夢を見た。
18日
仕事が終わって帰宅。やっぱり家が好き。
19日〜
この週は、大きな何かもなくのんびりとしていた。そのぶん、存在意義を考える。どう働いていけば良いのか。わたしはいつまで同じ仕事をできるのだろうか……。
歯医者へ行く、半年ぶりに。先生に、やっと結婚の報告ができる。半年のあいだにお互いにいろいろあった模様。自分が好きになった人より、自分のことを好きでいてくれる人と居たほうがいい、と先生が言っていた。弱ったときにも居てくれる人と。
21日
職場で、先輩が、午前休を取ったという報告にそっと来てくれる。
「今日は僕は午前休みを取っていて……本当はまだ休みの時間なのだけど」
早く仕事場に来すぎて、立ち寄ってくれたらしい。念のため書くと、われわれの間によこしまな意志はまったくない。
そうしていると、別の先輩も来てくれた。立場ある方々が暇つぶしにでも羽を休めてくれたら嬉しい。
鳥が休む木のような存在になりたい。そういう場所を作る人になりたい、そう思う。だから嬉しかった。
22日
職場に来てくれた業者の人が、自分の中の線引をしておくといい、とアドバイスをくれた。できないラインを決めておいて、それはしない。
夜は「あなたがしてくれなくても」の最終回を観る。思っていた展開とは少し違ったけど(あまり想像もついてはいなかったのだが)じゃあ、他にどうすれば良かったのかと考えてもよくわからない。
あの両家はそもそも夫婦としてはいちど破綻していて、だから不倫で離婚したのとはまた違うような気もする(不倫はいけないし、別れてから踏むべきステップも別れる前にしてしまったけど)。
新名さんはみちが好きなのも確かにあったと思うのだが、みちは、何だかんだ適切に過ちを回避して来たようにも思う。後半はもう、新名さんの誘いにはのらなかった。
連絡を返すとか、勉強会でずっと会うとか、そういう爪の甘さはあるけど。
陽ちゃんは、たぶん、欲しい言葉を欲しいときにはくれない人。だって最後にあそこまでされても、何も言わなかった。絶対に言ってくれない人。そして全然違うときにぽっと、重要なことを言う人。逆に、新名さんは欲しいときに欲しい言葉をくれる人。
陽ちゃんが瑛太じゃなかったらもっと大炎上してたと思う。瑛太だからもってた。瑛太は演技がうまかった。
しかし、誰も死ななくて良かった。あんな平和に終わる不適切な関係のドラマあるんだ。
正しさは置いておくと、時にどうしようもない感情・現象になるときはあると思う。そういう戸惑いはリアルに描かれていた作品だと思った。田中みな実可愛かったね。可哀想だったけど。
最後の、雨の中での「私が戦友になってあげようか?」のところは何かトレンディで良かった。あそこだけ平成の青春だった。
23日
小川洋子の本が届いた。読むのが楽しみ。仕事は疲れてしまう。マンネリしているのかもしれない。
ただ、すごく久しぶりに話したような人がいた。その人とはいつもうまく話せない。なんというか、なぜだろうか?
蒸し暑くて、自分の手も人の手も汗ばんでいる。そんな中で他人に偶然触れてしまうのが嫌いです。
その相手は、最初から皆が
「大変なことになるからやめておけ」
と忠告してくれていたのに、当の私が聞く耳を持たずに
「底なし沼って、本当に底がないのかな」
と安易に足を踏み入れたがために、ずぶずぶと沈んでいっても誰一人同情してくれなかった。
(島本理生『B級恋愛グルメのすすめ』「傷心旅行とウニと蟹」より)
島本さん、そうだったんか。そういうタイプやってんか、やはり…と思った。
沼に底があるのか試したくなるよね。
ここに共感するような心境だった。ややメンタルが不安定なのだと思う。