子どものころ病気で寝込んだ記憶って、なぜか消えない。2リットルのポカリスエットが枕元に置かれて、畳の部屋に布団を敷いて留守番していたこととか、休んでいる時間に『りぼん』を読んだり倉木麻衣の歌を聴いたり、たぶんテレ東のASAYAN的なハロプロ的なテレビ番組を見ていたり。近所の子がプリントを届けてくれたり、桃の缶詰を食べたこととか……スポーツドリンクの香りはいまでもその時の記憶が蘇るから苦手だ。
逆に、普段の生活はあまり憶えていない。なぜか体調を崩したときのことは四半世紀近く経った今でも、憶えている。
そして……私はいま、夏風邪をひいて寝込んでいる。32歳、世間は夏休み初週の、週末……。
19日
月曜から咳が出ていたのだが、水曜になって悪化する。朝一で病院へ。コロナは陰性。薬をもらい、念のため仕事は休む。
出勤するも、体調が良くなくて早退。
熱はない。
謎にゴーヤチャンプルー作った。
21日
熱はないが、咳は悪化。
仕事を休み、そのまま昼過ぎまではハーゲンダッツを食べるなどして普通に過ごしていたのだが……。夕方、熱を測れと言われて測ったら微熱が。
「……発熱してますね……」
「違う、これはなにかの間違いだから」
そう言って測り直すも変わらなかった。そして熱は下がることなく、苦しみの夜を過ごすことに……。何か職場の人に怒り散らす夢を見た。荒れてるわ。
22日
コロナか、コロナ以外か。
朝、茶碗蒸しを食べた。めちゃくちゃ美味しかった。
息も絶え絶え（咳で）な私を病院へ連れて行ってもらう。土曜の病院は激混み。そうですよね。しかし、コロナかもしれない私を診察してくれる医療機関の皆さん、差別せず優しく説明してくれる薬剤師さん、本当に感謝〜のきもち……。
コロナは再び陰性だった。漢方薬を処方してもらう。
何が食べれそう？と聞かれて答えのが「スーパーのお寿司」と「フラン」だった。フランはポッキーの仲間のあれ。
お寿司のシャリを半分に割りながら食べ、フランを食べるも、喉の調子が悪い時にフランは苦しかった……おいしいのよ。
薬を飲んで寝る。あまりに申し訳ないので、旦那さんにはどこか外へ出てもらった。本を読む元気はもはや無いので、クッションの上に携帯を置きYouTubeを観たり、録画された呪術廻戦を観たり……。スマホで漫画も読んだけど、なぜか非日常を求めて、ホストの漫画を読んでいた。
またもや夕方から発熱。夜が怖い……といいつつおかゆを食べ、アクエリアスを水で2倍に割って飲む。関係ないけど、アクエリアスの水色のラベルのやつは飲みやすくてスポドリ界で一番好きです。
消化器官も調子が悪く、頭も痛い。とにかくすべてが駄目。コロナが流行ってからこんなに重たい風邪をひいたことはなかったのでは。
三語以上喋ると咳が乱発されるので、会話もままならず、携帯電話のチャットで会話していた。
しかし深夜になり、少し熱が引く。寝たり置きたりを繰り返しつつ、明け方にはだいぶ楽になっていた。この日は職場の人が仕事の試験に受かる夢を見た。心も落ち着きだしているのか。
23日
朝起きて……体調はだいぶ回復している。何が食べれそう？になんと「朝マック」と答える。それに応えてくれる家族が優しすぎる。
ソーセージエッグマフィン、難なく食べる（ポテトは怖いのでやめておく）。
お昼はひとりで冷凍うどん。
ああ、この、冷凍食品が残されてひとりで食べるご飯、病気で学校を休んだあの日と同じ………とセンチメンタル。
旦那さんが帰宅してアイスを食べるが、冷たいものを食べると喉がヒューッとなって咳が止まらない。悲しい。
世界水泳と27時間テレビをずっと観ていた。夏休みって、子ども向けのCMが増えて良いね。子ども向けコンテンツって夢があって好き。
昨日と比べて夜が元気。ただまだ体調が戻りきっていないので、どうなるか……。
〈うまくいかないのがふつうかもしれない〉
（山口みずほ『あくび』より）
学校を休んだ女の子の、一日を描く物語。
恋もなく部活もなく、本当にただそれ（休む）だけなのだが、ただそれだけを描く漫画って当時はあまりなかったと思う。『こっちむいて！みい子』とかかなあ。
こんなことあるある、みたいな庶民感覚を描いていきたい、というような作者のコメントがあった。
初めて読んだのは小学生くらいで、そこからずっともう一度読みたかった漫画。
収録されている話では、思春期まっただなかの少女が先生を好きになる「なんとなく不機嫌」が好きだけど、「あくび」が表題作っていうのがいいと思う。
山口みずほ先生は、酒井まゆ、持田あき、春田なな各先生方と同期デビューらしい。珠玉の世代っすね。
ちなみに我が家には↑こちらの漫画があります。（同じシーズンにデビューした作家のデビュー作を一冊にまとめてある。）
この一冊はめちゃくちゃいい。酒井まゆ「プライマル・オレンジ」、持田あき「角砂糖恋愛」、春田なな「愛の♡愛のしるし」が一冊になっててめちゃくちゃエモい。まゆぽそのカラー表紙もいいね。春なな当時から漫画描くの上手かったんだな。そしてモッチーのaikoみたいな文学性よ……好き……。
と、ここまで書いていて、また具合が悪くなってきました。終わります。
