本のある日記

本のある日記

日記・その時にあてはまる本・ことば・音楽。

当事者でないことについて考える日々

あることについて考えていた。私は直接関わっていなくて、間接的にしか知らない。

でも折にふれて思うときがあり、思ったところで何も思えないのだが、でも思ったりしていた。ただ思うだけ。あれがあって、今はこうして過ごしている。

 

山口つばさ『ブルーピリオド』の新刊を読んだ。八虎、そんなに好きじゃないけど、気持ちはわかった。彼の抱く自分の居心地の悪さは、なんとなく、上で示したような気持ちに似ていると思った。

私が思いを馳せる点から、また別の方角を見ていかなければな、と思っている。

でもブルーピリオドを読み終えて、いつか来る何かのタイミングまでは、同じような気持ちのままでいてもいいのかもしれない、と感じた。工藤静香も昔、弔辞でそんなことを語っていた。

答えが出ないまま、過ごし続けている。

私は私の関係性で居続けることが正しいのかもしれないとも思った。私がいたところから、私が見たり思ったりしたことを持ち続けるということ。

 

 

ある方の話を聞く機会があり、「アートは自己表現、デザインは他者の視点を想って生まれるもの」という言葉を聞いた。なるほどなーと思った。

 

最近、武田一義『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』も読んだ。これは、当事者でない人物が表現している物語。当事者の方からは、賛否両論だと聞いた。

でもそれが自然だと思う。

どちらの意見もあることが、存在の形をより確かなものにしているような気がする。